アーユルヴェーダとヨガから紐解く依存を生み出す5つのクレーシャ(煩悩)

アーユルヴェーダ

5回にわたって、「依存」と「煩悩」について取り上げています。

前回の記事では、みなさんが依存していることと、その依存により発生する可能性のある弊害について、まずは簡単に考えていただきました。

今回は、ヨガとアーユルヴェーダの視点から、依存を生み出すクレーシャについて見ていきます。

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依存から抜け出した先に

人から提案されたことについて、それが正しいと感じたとしても、実行し継続するのは難しい場合があります。

けれど、依存から抜け出した先にどのようないいことが待っているかを想像できれば、新しいことにチャレンジしたり、今やっていることを少し変えてみるための一歩を踏み出せるかもしれませんね。

依存がどこからきたのか、どのように対処すればよいのか、一緒に考えていきましょう。

アーユルヴェーダとヨガで述べられる5つの煩悩(クレーシャ)

私たちが依存から抜け出すのが難しいのは、「煩悩」があるからです。

クレーシャは、アーユルヴェーダとヨガでは5つあると言われています。

①アヴィディヤ(無知)

無知、妄想、知識の欠如、限られた知識、誤解。

クレーシャ(煩悩)を引き起こす主な原因の一つとされています。

なぜアヴィディヤが起こるのか。
それは単に経験したことがなく、知らないから。
知識がないから。
あるいは、妄想。

例を挙げましょう。

体の灼熱感、胸やけ、ほてり、皮膚の炎症などの、ピッタ過剰の時の症状が起こっているとします。

けれど、コーヒーやアルコールがその症状につながっていることを分かっている、あるいはどれくらい何を食べたらいいのか分かっていて意識的に選択する。

このように無知の状態を克服できていれば、ある特定の飲み物や食べ物に依存しそうになるマインドを、制御できることでしょう。

これは本来のヨガ(くびき)の実践です。

②エゴ(自我)

自我意識。「知ってるべきだ」と思うようなことです。

例えば、頑張って働かないといけない!と思って無理をする。

この時頑張って働いていることに美徳はありません。
それは周りのために働くというより、自分が安心感を得るために過剰に働いているだけです。

もし、自分と周りとのつながりを意識することができれば、とにかくがむしゃらに働いていなければならないというような固定観念や強迫観念から自由になれるかもしれません。

③ラーガ(執着)

執着はいろいろな形で現れます。

食べ物、アルコール、買い物、セックス、薬物、テレビ、SNS、ギャンブル、議論、スポーツ。

ある程度刺激があり、アドレナリンが放出されるものに、私たちは執着する経口があるようです。

最近顕著な執着の例としては、コンピューターがあります。

夜遅くまでSNSやネットショッピングをしていた経験はありませんか?

見ないと気が収まらない。
これは依存であり、睡眠不足が、オージャス(生命力エネルギー)の枯渇につながります。

もし、執着しすぎない程々さを守ることができれば、無駄なエネルギーを消費することなく快適に過ごすことができるのではないでしょうか。

 

④ドゥヴェシャ(嫌悪)

執着に対して、自分に腹が立ってくる。

そこに執着してはいけない!と思っていると、今度は抵抗感が生まれてくる。

これが嫌悪です。

たとえば、親を喜ばせないと思うあまり、本当はしたくないと思っている仕事に就く。
自分を楽しませられない。

「この仕事では満足できない」という感情に対する執着により、今とは違った人生ばかりを思い浮かべ、今ここにいられない。

そうすると、本当はそうでありたくないのに、人生に対し、抵抗感が生まれてしまいます。

でも、もし素直に自分の感情を受け入れることができれば、より良いパフォーマンスを発揮できる仕事と、その仕事を通して築くことのできる良好な人間関係について、想像することができるかもしれません。

⑤アビニヴェーシャ(死や生命の喪失の恐怖)

最後の煩悩は、死への恐怖です。

生きていたい!と感じる。
生への執着です。

不老不死という言葉があるほどですから、昔から人は生に執着してきました。

そりゃそうですよね(笑)

5つのクレーシャ

本記事では、依存を生み出す5つのクレーシャについてご紹介しました。

  1. アヴィディヤ(無知)
  2. エゴ(自我意識)
  3. ラーガ(執着)
  4. ドゥヴェシャ(嫌悪)
  5. アビニヴェーシャ(死や生命の喪失の恐怖)

いかがでしたか?

次の記事では、クレーシャに対処し依存から抜け出す具体的な方法についてご紹介します。