第一子を帝王切開で出産することになった講師。
帝王切開となるまでの流れや、心の変化についてレポートします。
とりとめのない話がだらだら続きますが、ご容赦くださいませ。
帝王切開になるかもしれない……と不安になっている妊婦さんたちの参考になることがあれば幸いです。
25週目から逆子
妊娠25週目(7か月半ば)の妊婦検診の時、初めて「逆子だね」と言われました。
胎児は妊娠期を通じて、その週の成長曲線のMAXくらいの大きさで育っていたのですが、
この時は、そうは言ってもまだ25週で、推定970gということもあり、
自然に回るだろう~と思ってあまり心配していませんでした。
続いて27週、29週でも逆子。
「逆子が分かってから、逆子でいる期間が長いほど、回りにくい」
と後に鍼灸師さんのブログで読んだのですが、この時はそんな知識がなく、29週になってから慌て出しました。
29週目で帝王切開説
「帝王切開」
という出産方法がちらついたのは、29週目の検診の時です。
赤ちゃんは逆子で、やはり大きく、BPD(頭の大きさ)7.73cm、推定体重1580gでした。
この時の気持ちを、健康日記の中から抜粋します。
赤ちゃんはまだ逆子。私は背も小さくて骨盤も狭いし、帝王切開になる可能性が大だと言われた。めちゃあっさり言われた。逆子体操のやり方を教わる。お灸の教室の案内もされる。なんか、検診に行く度に不安なことが増えるし、仕事に実が入らない。考えることが増えていく。帝王切開だと費用も増えるし。。時代が時代なら、自分は子供産めないタイプだったのかなあとか思ったり。帝王切開がある時代だからよかったって思えばいいんだけど……思えばずっと仕事のこと考えていて、赤ちゃんのためのスペース、あけられてないんだよね。母に電話して、不安な気持ちを紛らわせる。
バースプランといっても、そんなにたいそうなものを考えていませんでしたが、
帝王切開で産むことは全く考えていなかったので、かなり動揺しました。
保険にも入っていないし、知識もないし、焦りました。
逆子を治すための取り組み
逆子体操
逆子体操はゲリラ的にやるのみでした。
効果について賛否両論で、あまり信じられず。。
第一、結構きつい体勢です。
胎動は強くなってきた頃でしたが、自分ではどっちの向きなのか分かりませんでした。
産婦人科でのお灸
産婦人科で一度お灸をしてもらいました。
全身をゆるめるため、いろんなところにアプローチするのが大切なようで、お腹、背中、首、肩などをほぐしてくれました。
逆子のツボにもお灸を当てました。
逆子のツボは、「三陰交(内踝より指四本分上の位置)」と「至陰(足の小指の先)」。
至陰は少し熱くて痛かったです。
私は、お灸をする前に逆子が治っていたとして、お灸で刺激を与えたら、また逆子に戻ってしまうのではないか?と不安だったのですが、これについて聞いてみたところ、
「お灸を通して、お母さん自身がリラックスし、あかちゃんもリラックスできる場所に移動するようにします。だから、逆子がすでに直っていたとして、赤ちゃんが回転してまた逆子になってしまう……というわけではなくて、落ち着くところに落ち着くんですよ」
ということでした。
もし心地いい場所というのが逆子の位置だったら、赤ちゃん的には逆子のままのほうがいいのか……
と思いつつ、自分の思いとしては、やっぱり逆子直ってほしい。
しかし、次の検診でも、全然、赤ちゃんは動いていませんでした。
赤ちゃんは大きめ。
BPD(頭の大きさ)8.43cm、推定体重1950gでした。
この検診の前あたりから、仕事が忙しく、旦那との会話もあまりできておらず、精神的に参ってきていました。
当時の日記からまた抜粋します。
逆子。オペの話もされる。まだ、チャンスあるかもしれないけど、2千g近いし、どうかな。逆子だからってわけでもなく、たぶん誰とも話してないからなのか、気持ちが塞いで、焦燥感みたいなのを感じてしまう。
この日、私は実家に帰りました。
翌日、実家のほうの警察署に免許更新に行くことにしていたのですが、急遽前入りで実家に戻ることにしたのです。
精神的なストレスが、赤ちゃんに「頭が下」という信号を送るのを邪魔していたら……と思うと、少しでも自分が楽な方に行きたかったです。
家に帰ると、(両親に加えて姉夫婦、小さな甥っ子姪っ子がいるので)賑やかで、結構気持ちが晴れました。
鍼灸院でのお灸
その週、夫に勧められて、「神の手」と評判の近くの鍼灸院に行くことにしました。
鍼灸院に行くなり、「かなり熱いですよ」とすごい前置きされました。。
もぐさをツボに直に当て、線香の火を直接着火するので、実際、かなり熱い、というか痛かったです。
刺激を与えることを大切にしている鍼灸院で、結果が出る、と口コミでも大評判。
良い先生で、施術中も、いろいろとおしゃべりしてくれて、気が紛れました。
とはいえ熱く痛い……三陰交はまだマシですが、至陰は痛く、それでも何回か刺激されました。
↑三陰交。
↑至陰
見ての通り(火傷の)痕が残るほどの刺激。
※痕はそのうち消えます。
先生曰く、この週数(32週1日目)でも回るらしく、34週とか、それ以上になってから来る人もいるとのことでした。
二日連続でやった方が効果が高いので、今日明日でワンクール、検診行って、直ってなかったら背中にお灸をする方法に移行しようと言われました。
その日と翌日は、身体がものすごく温かく感じるよと言われていましたが、本当に温かく(暑い)、すすめられた昼寝をしている間にものすごく汗をかいていました。
お灸の効果を確かに感じました。
逆子チェック
今回はとても手ごたえを感じていたので、妊婦検診とは別の日に、逆子が治っているかだけをチェックしに産婦人科へ行きました。
でも直っていませんでした。
向きは変わっていたのですが……(右向きが左向きになっていた)。
ちなみに、尿検査、血圧検査なし、エコーで逆子チェックをしてもらう、という内容で、受診料は1850円でした。
自分で常にお腹の中が見えるような道具が開発されればいいのになあ><
33週以降逆子を治す努力をし続けるか葛藤する
逆子が治っても経腟分娩できるのか?
逆子、帝王切開というワードが突如出て来てから、ネットでいろいろ調べる中、
逆子だ帝王切開だということ自体で周り責められたり、嫌な思いをしたという話を読むこともありましたが、
私の周囲には帝王切開にそこまでネガティブな印象をもっている人はおらず、誰かからの評価によって「逆子」や「帝王切開」が嫌だと思ったことはありませんでした。
帝王切開で子供を産んでいる知り合いもいましたし。
ただ、やはり自然分娩で産みたい、というのが正直な気持ちでした。
33週目(9か月半ば)の妊婦検診で、赤ちゃんは大き目。
BPD(頭の大きさ)9.11cm、推定体重2270g。
赤ちゃんは頭が大きいようで、先生は、私の体型──身長148cm、挟骨盤と言われてはいないものの決して広くはない──を見て、「回らんかもねえ」という意見。
回ったとしても、赤ちゃんの頭の大きさからして、経腟分娩できるかどうか怪しいような感じ。
当時の日記からまた抜粋します。
産婦人科へ。絶賛逆子。変わってないの分かる。帝王切開の日を指定される。その後、助産師外来で、家族構成のこととか仕事のこと、産後のことなど聞かれた後、帝王切開の当日~退院までの流れを聞く。聞いたら急に憂鬱というか怖くなった。自然分娩のほうが、傷口残らないし、いいよなあ……産後も、割とすぐ動けるみたいだし。ただその時は痛いんだろうから、帝王切開でも、自然分娩でも、それぞれの苦労があるよね。
〇〇さん(夫)が、同じ思いをできるはずないのに、なんで女ばっかりって思っちゃう。
赤ちゃん、自然にひっくり返らないかなあと思って、逆子体操をしてみたんだけど、なんかね……赤ちゃんは居心地のいいところにいるのに、こっちの意志で無理に動かして、なんかあったら嫌だな……と思ってきた。逆子治そうとするの、もうやめたほうがいい気がしてきた。
逆子が直らないと、自分に原因があるのかなあと、どうしても思ってしまいます。
疲労感や緊張感で赤ちゃんに正常なホルモンを流せていないのかなあ。
仕事をしているせいなのかなあ。
気持ちをうまく赤ちゃんに向けられていないからなのかなあ。
モヤモヤした思いがずっとある中、翌日、鍼灸院から「もう一度挑戦してみないか?」というメールが入りました。
お灸で逆子治療をし続けるか迷う
当日の日記からの抜粋。
あーあ、気にしながらも、もう帝王切開に決めかけてたところなのに……鍼灸が無痛で、かつ直るんだったら行くよ。でも、直ったって、結局緊急帝王切開になる可能性はあるわけだし、経腟できるような(母子の)バランスかも分からないし、、(鍼灸院からのお誘い)振り切っちゃおうかなあと思う。それにしても、病院でメスを入れるっていう恐怖がすごい。
この日は、鍼灸どうしようか迷いすぎて、午前中ちょっとぐったりしてしまいました。
また母に電話したところ「自然に任せれば~無事を祈るわ~」と軽い感じでした。
夫が帰ってきた後、逆子のこと改めて話したところ、職場の人の娘がちょうど帝王切開で二人目を産んだばかりで、確実なほうがいいんじゃないかという意見でした。
帝王切開にしても自然分娩にしても、確実っていうのはないけど、私も帝王切開の方が母体と赤ちゃん両方に負担かからないなら、そちらがいいと思っていました。
あかちゃんは、33w3日くらいの時点で、頭の幅が9cmと、もう生まれてくるときくらいの大きさがあって、それに大して私の骨盤は、おそらく、異常に狭いというわけではないんだろうけど、狭い。
自然分娩しても、緊急帝王切開になるかもしれない。
何が一番安全か分からず、もやもやしていましたが、ほぼ帝王切開でいく意志が固まりました。
名前が決まったことで出産について前向きに考えられるようになる
この頃、夫が「名前〇〇がいいと思う」と言ってくれました。
当時の日記からの抜粋(SNSにも投稿したところ、多くの皆様から温かいコメントを頂きました)。
実家でつけたい名前を私が挙げている時、(夫は)なんとも言わなくて、その後も名前の話を夫からすることはなかったけど、それ(名前、〇〇が良いと思う)を聞いた瞬間、一気に気持ちが前向きになった。今まで、産むことしか考えていなかったけど、産んだあとのことまで幅が広がったように思えた。というより、夫が赤ちゃんのこと考えて、それに大して自分の思いを言ってくれたことほとんどなかったから、夫のほうが「決め」の言葉を言ってくれて、気持ちが楽になったのかもしれない。
赤ちゃんが宿った瞬間から、決めにくいことを決めなきゃならない機会が増えて、その度に夫婦で話し合ってはいたけど、最終的に結論を出しているのは自分のような気がして、「決める」ことに疲れてた。里帰りするか、検査どうするか、仕事いつまでやるか、子供を産む方法……
だから夫の方が、私が挙げた名前の中から名前を選んでくれて、この小さな存在に対し責任を負っているのが自分だけではないと思えたのも、気持ちが楽になった理由かもしれない。
それでもまだ迷う
自然分娩にこだわっていたわけではないのですが、
術後の経過とか、傷のこととかを考えて、
お灸をして逆子治す挑戦をしたほうがいいのか、迷い続ける日々が続きました。
当時の日記からの抜粋。
自然分娩できるかわらかない。でも、自然分娩でも、帝王切開でも、どちらでも転べるように、迷える期間を伸ばすっていうことだけでも、意味があるのではないかなあと思った。どっちでもいけるように。でも、私はお灸⇒自然分娩⇒緊急帝王切開のフルコースになることを恐れてる。。
それでもそれでも迷い続けて夫に気持ちを話す
私は相変わらず、逆子治療を続けるか、帝王切開の覚悟を決めるか、悩み続けていました。
当時の日記からの抜粋。
スリムな人が赤ちゃん抱っこしている姿を見て、あんな細い体でも産んでるんだから、私にだって産めるのではないか?と思ってしまう。でも、産み方はこっちの都合であって、赤ちゃんとしたら、より安全であればどちらでもいいはずだ。お灸や他の体操の途中、あかちゃんが窮屈な思いをしたり、へその緒にからまったら大変だ。でも、一生帝王切開の傷をもって、年取ったらその傷が痛みだしたりしないのか?とか不安もある。産んだら早く元気になって子育てをしたいのに、帝王切開は産後回復に時間がかかるという。それで、夫にまだ迷ってることを告げてみた。
「(お灸を)トライしてみるのはいいと思うけど、治ったら、有無を言わさず自然分娩になるわけでしょ。赤ちゃんがでかいから、大変なんじゃない。そこから緊急帝王切開になるケースって、母子に危険が迫っている時だから、難産になったら、危険な状態になるところまでいくわけだよ。それよりは、計画帝王切開で産んだ方が、確実なんじゃない。」
というようなことを言われ、ちょっと気持ちの整理がついた。危険な目にあうよりは、100%安全ではなくても、計画帝王切開のほうがいいのかもね。
大分気持ちに整理はついた。バースプラン、自然分娩。誰もが、いきなり産気づいて、大変な思いをしながら産むことを想定している。大変だろうけど、一種の憧れなんじゃないかな。それができないのは残念ではあるけど、子育ては想定外のことばかりだろうし、赤ちゃんが元気で生まれてくるならなんだっていいと思えてきた。
この日以降、特に逆子を治したいとか思うこともなく、したがって逆子体操をすることも、お灸に通うことも、こっちが頭だよと赤ちゃんを誘導することもなくなりました。
まとめ
以上、だらだらと出産(帝王切開)までの流れをつづってきました。
出産には悩みがつきもので、自分では最善の結論が分かるはずもありません。
「なぜ帝王切開か自然分娩かでそんなに悩んだのか」と思われてしまうかもしれませんが、
私はもともとネガティブ思考なので、本当になんかいろいろと感情が揺れました。
もし同じようなタイプの方がいたとしたら、、
「さんざん迷い、不安な思いをしながらもその日を迎えた」という過程を、この記事を通してお伝えすることで、
そのような方々、同じような経験をされている方々が共感してくださり、一種の癒しになったら良いと思い、
長々とつづらせていただきました。
つづってきた内容をまとめると以下の通りです。
- 母体(私)は小柄(148cm)で赤ちゃんは成長曲線MAXの大きさで育っていた
(※小柄で赤ちゃんが大きいと自然分娩できないということではないが、この事実のために逆子治療を続けても難産となる恐れを抱くことになった) - 25週頃からずっと逆子で、骨盤位による帝王切開となった
- 逆子を治すための取り組みを行ってきたが治らなかった
- どのような出産方法が一番安全か悩んだが答えが出せなかった
- 赤ちゃんの状態に合わせた出産方法となった