アーユルヴェーダの基礎知識「プラクリティ」と「ヴィクリティ」についてお伝えします。
この基本的な概念を理解することで、ご自身の体質や現在の状態を把握することに役立ちます。
プラクリティとは
プラクリティとは、物質世界における本質的な自分、本来持って生まれた体質です。
現在の心身のバランスが、プラクリティに近いと、体調がよく、心もイキイキとしています。
ヴィクリティとは
ヴィクリティとは、現在のバランスの乱れている状態です。
ヴィクリティがプラクリティ(本質)に近づけばより心地よく感じられ、プラクリティから離れるほど不調や症状が現れます。
私のプラクリティとヴィクリティは?
これは、よく「ドーシャチェック」といわれる体質診断で、ある程度把握できます。
ドーシャは五大元素がユニークに組み合わさってできる生命エネルギーのことです。
ヴァータ、ピッタ、カパがあります。
アーユルヴェーダにおいて個人の体質や、本質であるプラクリティ、乱れている状態であるヴィクリティも、このドーシャ理論を用いて説明されます。
要は、自分の状態を表す便利なツールです。
ドーシャについてはこちらの記事詳しく解説しています。
>>【アーユルヴェーダの基礎知識】ドーシャとは
ドーシャチェックとは、身体的、精神的、また行動面の特徴について、自身にあてはまる項目をチェックし、ヴァータ、ピッタ、カパのバランスをみます。
※このドーシャチェックは、料理教室&ヨガ教室「森の時計」のアーユルヴェーダ料理レッスンにて実施しています。
スパイス講座とロースイーツ教室では実施しておりません。
※また、メールレッスンにて、詳しいドーシャチェックについて説明しています。
人生を通してまたは子供のころの特徴にあてはまるものをチェックするとプラクリティが分かる
ドーシャチェックは、どの時点の自分を思い浮かべて選ぶかにより、結果が少し変わると思います。
特に、人生を通してあてはまる特徴、または、子供のころの特徴にあてはまるものをチェックすると、プラクリティに近い結果が得られると言われています。
※ただし、完全にプラクリティかどうかはわかりません。
現在の状態にあてはまるものをチェックするとヴィクリティが分かる
プラクリティは、自分の置かれている環境(人間関係、仕事、気候、精神状態など)によって、そのエネルギーバランスが変化します。
それがヴィクリティです。
現在の状態にあてはまるものをチェックすると、ヴィクリティが分かります。
それは、プラクリティに限りなく近い状態かもしれませんが、かなりかけ離れている可能性もあります。
そうは言っても本当の自分は変わらない
ちなみに、アーユルヴェーダの基となっているサーンキヤ哲学は、二元論を主張しています。
二元論においては、「物質世界」と「精神世界(宇宙)」とで、それぞれ自己の本質があるとしています。
物質世界では「プラクリティ」。
私たちは、自分の周囲の環境や人とのかかわりなどにより、このプラクリティから離れ、様々な乱れを覚えるる可能性があります。
一方、宇宙世界では「プルシャ」と言われる純粋意識があります。
これは私たちの永遠の魂。
創造と物質を越えた内なる存在(高次の自己)です。
物質世界において、様々な要因により、私たちがプラクリティから離れようとも、このプルシャはそれを客観視しているのみで、永遠に変わりません。
この話は少しややこしいので、また別の機会に詳しくご紹介できたらと思います。
(アーユルヴェーダフードプラクティショナー養成講座では言及しています)