アーユルヴェーダの重要な概念である「ドーシャ」について解説します。
ドーシャは心と身体の性質を表す
アーユルヴェーダを知っている人同士だと、
「あなたのドーシャは?」
と、まるで血液型を聞かれるようなノリで聞かれます。
ドーシャは、通常は「(人間の)心と身体の体質・特徴」という意味で使われます。
ドーシャとは
自然界の一部である人間は、私たちの周りにあるものすべてと同様、五大元素から成り立っていると、アーユルヴェーダでは考えています。
五大元素とは空、風、火、水、土です。
詳しくはこちらで解説しています。
>>【アーユルヴェーダ基礎】パンチャマハブータ(五大元素)とは
この五大元素がユニークに組み合わさって3つの生命力エネルギー(トリ・ドーシャ)が生まれます。
これが、私たち一人ひとりに固有の特徴と性質を表します。
宇宙は五大元素をもっており、私たち人間も五大元素をもっています。
そのバランスの違いが個性であり、ドーシャという概念を使って表されていると考えればよいでしょう。
3つのドーシャ
3つのドーシャとは、ヴァータ、ピッタ、カパです。
それぞれの五大元素と役割、性質(グルヴァディグナ)についてみていきましょう。
ヴァータ
五大元素 | 役割 | 性質 |
空、風 | 運動のエネルギー | 冷、乾、軽、鋭、硬、動、流、微、荒、清 |
詳しくはこちら
>>【ヴァータ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
ピッタ
五大元素 | 役割 | 性質 |
火、水 | 変換のエネルギー | 温、湿、軽、鋭、硬、動、流、微、滑、清 |
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>>【ピッタ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
カパ
五大元素 | 役割 | 性質 |
地、水 | 結合のエネルギー | 冷、湿、重、鈍、軟、静、固、粗、滑、濁 |
詳しくはこちら
>>【カパ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
私たち=ドーシャではない
ドーシャは私たちの本来生まれ持った性質(プラクリティ)を表します。
また、本来の五大元素のバランスから遠ざかった(乱れた)状態(ヴィクリティ)をも表します。
その乱れは、季節、年齢、ストレス、環境、食べ物などによってもたらされます。
つまり、ドーシャとは、私たちの状態を説明するためのツールであり、私たちがドーシャではないし、ドーシャが私たちでもないのです。
たとえば、人生を通しておっとり、のんびりした性質であったAさんが、50歳を過ぎたころから、だんだんとそわそわと、落ち着かないヴァータ的要素を自分の中に見つけたとします。
しかしこれは、Aさんの中に、落ち着かない性質を持っているヴァータの質が(何等かの原因で)増えたというだけで、Aさんが落ち着かない人間になったのではないのです。
ドーシャ診断
ドーシャ診断にはいろいろなやり方があります。
問診票(ドーシャチェック)をする、脈を取る、舌の状態を見る、などが一般的です。
ドーシャ診断を受けてみたい方は、アーユルヴェーダ料理1dayレッスンか、ACAコースでも診断できますので、お気軽にお申込みください。