様々な種類がある紅茶。
その中でも、時々CTCという紅茶を見かけます。
当教室でも、チャイを作る時にはこのCTCをよく使いますが、そもそもCTCとはどんな紅茶なのでしょう。
本稿では、CTCとはどんな紅茶か、その基礎知識をお伝えします。
CTC
CTCは、短時間でしっかりとした味わいの紅茶を淹れることができるように、忙しい現代人の暮らしのニーズによって生まれた、比較的新しい製法の茶葉です。
CTC製法とは
CTC製法とは、Vrush(つぶす)Tear(引き裂く)Curl(丸める)の略。
葉っぽを一気にカットして粒状にし、細胞から葉汁を一気に出した後すぐに乾操させた茶葉。
主にティバッグ用に作られます。
外観
葉っぽの原形をとどめておらず、小さい粒状で丸っこい外観をしています。
特徴
茶の成分が抽出しやすいという特徴があります。
香りや味わい、見た目よりも、スピーディーに抽出できることがウリ。
CTC製法を導入している地域
- アフリカ(ケニヤ)
- インド(アッサム)
- スリランカ(特にミドルグロウン地域)
など
CTC製造方法
CTC製法は、オーソドックス製法とは完全に製造方法が異なります。
- プラッキング(茶摘み)
- 菱凋(いちょう):茶葉の水分を十分飛ぼし、萎れさせる
萎凋時間はオーソドックス製法に比べて短い。
CTCマシーンをスムーズに動かすためにはある程度の水分が必要なため、全体の30%ほどの水分しか飛ばさない。 - 葉っぱをCTCマシーンに入れ、つぶされ、引き裂かれ、丸める。
表面には細かい刃が斜めに刻まれた円柱シリンダーが、それぞれ内側に向かって回転する。
回転するスピードの違いにより、葉っぱは一気につぶされ、引き裂かれ、丸められる。
この工程を4回ほど繰り返す。 - 乾燥させる
- グレード別に分ける
CTC茶葉の利点
製造側としてはCTCの茶葉を導入すると以下のような利点があるようです。
- CTC製法ではほとんど人の手を必要としないため、人件費節約になる。
- 年中安定して需要が見込めるため、高値では売れないが、安定した値がつく。
- スリランカにおいては、特に一つの茶園でも、標高差がかなりある場合は、標高によって特徴が異なる茶葉を一つの工場で製造するため、どっちつかずの特徴のない紅茶になってしまい、高値では売れない。そのため、ミドルグロウン地域ではCTC製法の工場が多い。
末広美津代著『そんな紅茶で満足ですか』より
どんな時にCTCを選べば良い?
- 煮出す時間を省略したい
- ミルクティを飲みたい
このような時にCTCがおすすめです。
当教室では、主にミルク入りのマサラチャイを作る時に使います。
しっかりとした味わいなので、牛乳との相性もばっちりです。
ミルクティーを飲みたいときにはCTCを使ってはいかがでしょうか。