皆さんは自分の体質をご存知ですか?
アーユルヴェーダでは一人ひとりの体質を、この世界に存在する様々なエネルギーのバランスでとらえます。
自分にとって最も心地よいエネルギーバランス(プラクリティ、本質)と、乱れている時のバランス(ヴィクリティ)を理解するのに、トリ・ドーシャ(アーユルヴェーダの3つの体質の概念)はとても便利なツールです。
今日はトリ・ドーシャの一つ、ヴァータについてお伝えします。
他の2つ(ピッタとカパ)についてはこちらから
>>【ピッタ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
>>【カパ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
ヴァータとは
ヴァータの要素
五大元素(パンチャマハブータ)のうち、空と風のエネルギーを多く持つ人のことです。
ヴァータが持つ様々な性質
ヴァータの性質の代表は「乾」です。
その他「軽」「冷」「動」、それから不規則性があることを覚えておくとよいでしょう。
グルヴァディグナは、全ての物質に存在する2対(相反する性質の組み合わせ)20種類の性質で、ヴァータが持つ質は以下です。
冷、乾、軽、鋭、硬、動、流、微、荒、清
>>ドーシャのバランスを取るために知っておくと役に立つ!グルヴァディグナとは
ヴァータの役割
風は空間の中で自由に動き回ることから、ヴァータは運動のエネルギーです。
解剖学的な役割は摂取した栄養素を体の各組織細胞器官へ届けることであり、その他に以下の役割があります。
心臓の拍動、呼吸、筋肉の収縮、血液・リンパの循環、栄養素の運搬と老廃物の排出。
ヴァータのサブドーシャ
サブドーシャは体の中に別々の居場所を持ち、異なった働きをします。
様々な疾患の問題を解決するために、ドーシャやサブドーシャのバランスの乱れとの関係性を理解することが重要です。
ヴァータのサブドーシャは次の5つです。
- プラーナ・ヴァーユ
- ウダーナ・ヴァーユ
- サマーナ・ヴァーユ
- ヴィヤーナ・ヴァーユ
- アパーナ・ヴァーユ
サブドーシャについてはこちらの記事で詳しく書いています。
>>サブドーシャとは
ヴァータ体質の特徴
身体的特徴
ヴァ―タの人は痩せているか太っているか、背が高いか低いかが極端で、肌や髪が乾燥しやすく、冷え性の傾向があります。
- 痩せている、華奢
- 極端に背が高いか低い
- 肌や髪が乾燥しやすい
- 細い目・ドライアイ
- 舌は細長く震えている
- 唇が乾燥しやすい
- 浅黒い肌
- 胸が薄い
- 関節がポキポキ鳴る
心理的特徴
芸術家気質のヴァータは、好奇心旺盛なのでいろいろなことに手を付ける傾向がありますが、一つのことを完結させるのが苦手です。
体が強くないので、過剰な行動、オーバーワークなどは避けるべきです。
- 好奇心旺盛
- フットワークが軽い
- 創造的
- クリエイティヴ
- おしゃべり
- 集中力がない
- つまらないものに浪費する
- 飽きっぽく一つのことを継続できない
- 動作が軽快で素早い
- 早歩き
- 早口
- 常にいろいろなことを考えている
- 疲れやすい
乱れている時の特徴
下記のような乱れの特徴を理解することによって、ご自身のエネルギーバランスからヴァータが過剰になっていることに気付くことができます。
- 不安になる
- 消化不良
- 食欲がなくなる
- 便秘になる
- 生活が不規則になる
- 冷え性
- 腰痛
- 神経痛
- しびれ
- 落ち着きがない
- 思考がまとまらない
- 不眠
気を付けるべきこと
過剰なヴァータ、ヴァータの乱れに気付いたら、下記のようなことを意識することによって、バランスを取るようにします。
ヴァータは、その他のドーシャの乱れが乱れる時であっても、一番に(ヴァータを)整えるようにします。
なぜなら、ヴァータは運動のエネルギーを持っているため、ピッタやカパをあおるようにして、その乱れを各ドーシャの主要な居場所から他の場所へと拡散させてしまい、体の至る場所で不調を来すからです。
- 移動を減らす
- 乗り物に乗りすぎない
- 規則正しい生活をする
- 夜更かししない
- 動きすぎない
- 軽い・乾燥した・冷たいものを食べない
- 食事を抜かない
- 決まった時間に食事をする
- 風に当たりすぎない
- 身体を冷やさない
- 乾燥していて寒い環境に身を置かない
- 暑い環境の中で運動しすぎない
↑漫画で分かるアーユルヴェーダの中で、風を切ってサイクリングを楽しむモモに、ヴァータの化身(漫画内での設定)である蜂くんが注意する場面。
漫画で分かるアーユルヴェーダを読みたい方は>>こちら
おすすめのセルフケア
ヴァータの散漫な意識を集中させるために、プラーナヤーマや瞑想の実践はとても役立ちます。
オイルを使ったセルフケアも、乾燥体質のヴァータにはおすすめです。
また、不規則な生活はヴァータを乱す原因となります。食事の時間、起床・就寝時間をそろえ、休息の時間をたっぷりとるようにしましょう。
- プラーナヤーマ(呼吸法)
- 瞑想
- 規則正しい生活習慣
- 決まった時間に食事をとる
- ごま油のうがい
- オイルマッサージ
- アビヤンガ(オイルの塗布)
おすすめの食事
- 甘味、塩味、酸味を取り入れる
- 消化に良い食事
- 油分を多く含む重めの食事
- 温かく、身体を冷やさない食事
- 軽く調理した食事(ローフードは向いていない)
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おすすめの運動
- 散歩
- 登山
- 太極拳
- ゆったりとしたヨガ(キープ時間を長めにする)
いかがでしたでしょうか。
ヴァータの特徴や体質について理解したら、ヴァータを整えるための取り組みも実践してみてください。