単なる呼吸ではなく、身体内外の生命エネルギーの調節を行う「プラーナヤーマ(調気法)」。
その目的とは何か、どのような効果が期待されるのか、お伝えします。
プラーナーヤーマの目的
プラーナーヤーマの目的は、呼吸の制御。
呼吸を自律的コントロールから意識的コントロールにすることです。
自律神経を調整します。
大脳新皮質を活性化し、高い意識を養う
科学において、 脳が意識を生み出すのではなくて、 意識が脳の各部分を使っているといわれています。
脳の部位のうち、合理的で分析的な思考や、言語機能をつかさどる部分が、大脳新皮質です。
思考活動、高度な感情、高い意識をつかさどるところです。
いわゆる下等生物では小さく、高等生物は大きい傾向があります。
プラーナーヤーマによって、大脳新皮質の働き、すなわち意識を活性化させます。
ヨガにおいて気づきは重要です。
ヨガの呼吸法をして瞑想することで、意識が鮮明かつ無心となります。
プラーナの穏やかな流れと静かで均一な身体上の呼吸が瞑想の前提条件として必須である。
プラーナ、プラーナヤーマの基礎知識はこちら
>>プラーナ・プラーナヤーマとは
ヨガ・スートラの中で言及されるプラーナ
プラーナ、プラーナヤーマについては、ヨガの経典「ヨガ・スートラ」の中でも、その意味や大切さについて言及されています。
Itasmin sati śvāsa-praśvāsyor-gati-vicchedah prānāyāmah
『安定したアーサナができるようになってから、 呼気と吸気から興奮状態をなくしたプラーナーヤーマを練習する。 』『座りが整ったところで調気を行ずる。 調気とは、荒い呼吸の流れを断ちきってしまうことである。』
ヨガ·スートラ 2.49
プラーナヤーマを施すべき順番について述べられています。
これは八枝則の通りですね。
Ibāhya-ābhyantara-sthambha vrttih deśa-kāla-sankhyabhih paridrsto dirgha-süksmah
『息を吸いきってからの維持、吐ききってから維持と息を途中で止めるものがある。時間と空間と数を観察することで息は長く、微細になる。』『調気は、出息と入息と保息とからなり、 空間と時間と数とによって測定され、 そして、 長くかつ細い。』
ヨガ·スートラ 2.50
Ibāhya-ābhyantara visaya-aksepī caturthah
『第四の調気は、外部及び内部の測定対象を、 充分に見きわめた後になされる止息である。』『内的、外的領域が抑制されたとき、 それが第4プラーナーヤーマと呼ばれる。』
ヨガ·スートラ 2.51
プラーナーヤーマの効果
プラーナーヤーマを定期的に練習することで生命力が湧き、健康的でキラキラとした自分でいさせてくれます。
酸素は身体に欠かせない大切な栄養です。
呼吸は生きるために欠かせない行為です。
食べ物や水がなくても、数日は生き長らえることができます。
けれど、呼吸ができなければ数分で死んでしまいます。
それを考えれば、身体、精神、エネルギーにとって、呼吸がいかに大切なものか分かります。
科学的な視点からみた効果
科学では次のような効果があるといわれています。
腎臓と腸の機能を改善
深い呼吸をして横隔膜を使うことで、内臓をマッサージします。
腎臓、腸が刺激され解毒の機能が向上します。
[fuki-r]体の機能を正常に保つためにも、規則的な排泄は大切だよね。[/fuki-r]消化と肝臓の機能を改善
消化がうまくいかない原因として、肝臓の機能低下、腸の詰まりなどが考えられます。
呼吸によるマッサージの効果で腸の詰まりをほどきます。
また、肝臓の機能と循環を向上させるすい臓を刺激し、消化を改善します。
肺の機能を改善
プラーナーヤーマにより、肺を開き肺活量が増えます。
肺が広がることで酸素を吸収する表面積が増え、有害なガスが外に押し出されます。
呼吸器全体の機能が向上します。
[fuki-l]体内の酸素の循環が高まるのはいいことだよね[/fuki-l]血液の循環を改善
血液は、細胞に栄養を届け、不必要なものを細胞の外に運搬します。
体の機能を健全に保つためには、よい循環が必要不可欠です。
プラーナーヤーマの練習により、血液の循環が早まり、酸素量を増え、血液が神経に届く時間が短くなります。
循環不適切による甲状腺心臓、前立腺の問題を緩和させます。
また、脊柱神経、末端神経の間のシプナスを刺激し、脳に大量の血液を送ります。
[fuki-r]脳への血液循環が良くなれば、集中力の向上も期待できそうだね。[/fuki-r]分泌腺の機能向上
分泌腺は血中でさまざまな物質の濃度を調整し、代謝、成長、睡眠周期および他のプロセスを調節します。
プラーナーヤーマは分泌腺を刺激し神経伝達がうまく機能するよう整えます。
心と精神性への影響『チッタとプラーナ』
『ハタヨガ·プラディーピカー』 の第三章より
チッタとプラーナはいつも協力しています。
チッタのあるところにはプラーナが集まり、 プラーナのあるところにはチッタが集まります。
チッタは心と訳されます。
二つの強い力で動いている乗物で、 2つの力とはプラーナとヴァーサナー(欲望) です。
ボールが地面にたたきつけられるとはねかえるように、 求道者は、 プラーナとチッタの動きに応じて活動します。
プラーナがいきわたると欲望がコントロールされ、 感覚がチェックされ心が静かになります。
欲望の力が強くなると、 呼吸が乱れ、 心が動揺してきます。
呼吸とプラーナが静かであればチッタは安定しており、 精子が無駄遣いされないので、求道者の高められた精カはより高い潔い目的のために昇華されます。
そのとき、彼はウールドゥヴァレッス(ウールドウヴァとは上に、レッスとは精液という意味) という状態に至ります。
これは性エネルギーと意識を、純粋な意識へと昇華させ得た状態です。
プラーナヤーマにより、チッタを安定させ、より高次の自己へと導くことができます。
[fuki-l]プラーナヤーマを日常的に練習すると、いろいろな効果が期待できるんだね。[/fuki-l]


