筆者が「全米ヨガアライアンス(RYT200)」を取得したFIRSTSHIPは、RYTの正式認定校です。
本稿では、FIRSTSHIP卒業生の筆者が、通っていた時の様子や、授業の内容、特徴などをご紹介します。
FIRSTSHIP
FIRSTSHIPは、国際的なヨガ資格発行団体である「全米ヨガアライアンス」の正式認定校です。
現在、全国に6校(新宿、横浜、大宮、大阪、福岡、渋谷)があります。
ヨガを学ぶ・深める(資格取得)が可能
通常のヨガレッスン(常温)でヨガをするだけでなく、
ヨガを深め、資格を取得することが可能です。
ヨガのポーズそのものだけでなく、ヨガ哲学から解剖学、ボディワーク、アーユルヴェーダまで、様々な知識を学べます。
株式会社ベンチャーバンクのヨガ事業
FIRSTSHIPはホットヨガスタジオLAVAの系列スクールとして有名。
どちらも、株式会社ベンチャーバンクのグループ企業です。
FIRSTSHIPで資格取得を決めた理由
個人的な話になりますが、私は2016年の3月頃からFIRSTSHIP横浜校に通い始めました。
LAVAで存在を知った
FIRSTSHIPに通う前、筆者はLAVAに足しげく通っており、そこでFIRSTSHIPの存在を知りました。
後で知りましたが、これはまさにベンチャーバンクが狙っている通りの導線で、多くの人がこのルートをたどるようです。
ヨガの入り口としてLAVAを知る
⇒グループのFIRSTSHIPで資格を取る
⇒FIRSTSHIP卒業生がLAVAで働く
このような、理想的な構図ができあがっているわけです。
と書くと、企業の手にまんまとはまった……とネガティヴな印象を与えてしまうかもしれませんが、
LAVAもFIRSTSHIPも、それぞれヨガを楽しむ、深める場として魅力的な場所なので、王道ともいえるこのルートでよかったのではないかな、と思っています。
値段相場・他に学びたい先生を知らなかった
多くの人がRYTを取得する上でどこのスクールに通うか迷うようです。
驚くことに、同じRYT200またはそれ以上の資格を取るにしても、スクールによって、値段も、カリキュラムも全く違います。
この先生からヨガを学びたい!と最初から師事したい先生がいれば別ですが、そうでない場合は、通う学校を決める時に、決め手になるのは、スクールの質と、値段でしょうか。
私の場合は、説明会でカリキュラムや雰囲気を確認した後に、ほとんど他と値段比較することなく、ここに決めました。
雰囲気とカリキュラムの内容がいいと、直観でしたね。。
(頼りにならない情報ですみません)
通えるところにあった
当時は、新宿校(前校舎)、横浜校、大宮校の3校しかありませんでしたが、職場が横浜校(崎陽軒本店の上)に近かったので、そこにしました。
といっても、横浜校と決めたら横浜校しか通えない、ということはなく、他の校舎にも通うことができます。
私も、TT(ティーチャートレーニング)の段階になった頃には、異動で東京に引っ越していたので、新宿校に通いました。
値段はやや高めだが思い切って
RYT200を取得するのに支払った正確な金額は覚えていないのですが、
短気集中ではなく、通うタイプのコースで、65万くらいだったと思います。
個人のヨガスクールや、規模の小さいヨガスクールであれば、もう少し安い値段で取得できるのかもしれません。
海外留学で取得という手段もありますが、これには航空券代や宿泊費、生活費がかかるのでもちろんもっとお高めです。
当時私はOLで、集中講座や留学は時間的に無理でしたし、在学中はヨガレッスンも無料で受けられるので、LAVAの代わりにヨガスタジオとしての利用も兼ね、ゆっくり通うことにしました。
面白そうなカリキュラム
先にも述べた通り、FIRSTSHIPはヨガのポーズに関する講義だけでなく、
ヨガ哲学、ボディワーク、プラーナヤーマメディテーション、アーユルヴェーダなど、様々なプログラムを扱っていました。
※もっとも、他のスクールの多くで同じだと思いますが。
ヨガを多方面から深めたく、大手ならではの安心感もあって、FIRSTSHIPに決めました。
FIRSTSHIPで資格取得する人はどんな人?
FIRSTSHIPで資格を取得する人は、必ずしも将来ヨガの講師を志している人だけでもありません。
実際、私が通ったスクールにはこんな人がいました。
- ヨガを深めたい
- ヨガを多方面から勉強したい
- 仕事を辞めるつもりはないが、ヨガの仕事に関わりたい
- 現在の仕事に活かせる補助的な知識を身につけたい
(⇒理学療法士、体育講師の方などがいらっしゃいました) - インストラクターになりたい
私も、仕事にするためというよりは、自宅でのヨガ練習の質を高めたい、という目的でした。
この後、結局仕事をやめ、しかもヨガではなくアーユルヴェーダをメインとした道に進むことになるのですが……
FIRSTSHIPで資格取得した後の進路
FIRSTSHIPでは、同じベンチャーグループのLAVAやゆずりはへの進路が開かれていることを押しにいているのですが、
実際、FIRSTSHIP卒業後、資格を活かす人もいれば、活かさない人もいます。
TTで一緒になった四十数名のうち、ヨガを仕事にしたのは、1/4もいないのではないでしょうか。
- LAVAに転職した
- LAVA、FIRSTSHIPに関わらず、ヨガスタジオやスポーツジムへ転職した
- 業務委託でヨガを教えるようになった
- 開業した(それまでの仕事もやめずに、またはやめて)
このような同期を知っています。
FIRSTSHIPでヨガを学ぶ過程
ここからは、実際にどのようにヨガやその他の知識を学んだのか、筆者の経験を紹介します。
説明会
まず、説明会で入学を決めました。
説明会は、スクールの雰囲気や先生のことを知るチャンス。
参加するのがおすすめです。
期限があるので注意
通いで資格を取る場合、「自分のペースで通える!」とふれこみがありつつも、2年か3年だったか、ある期間中に卒業しないといけないので、
計画的にレッスンを受ける必要があります。
ランダムに受けられるレッスンから受講
カリキュラムで決められた講義を全て受講しないと、
ティーチャートレーニングという、資格取得のための段階に入れません。
- ヨガアーサナ(ベーシック・アドバンス)
- ヨガ哲学
- ボディーワーク
- プラーナヤーマ・メディテーション
- アーユルヴェーダ
それぞれにカリキュラムがあり、順序のようなものもあるのですが、
順序を無視できるものは無視して、受けられるものから受けていました。
もちろん、レッスンの中には、レッスン〇〇受講後の受講必須というようなものもあるので、そこは順序を守ります。
ヨガレッスンに無料で参加できる
在学中は、FIRSTSHIPの常温ヨガレッスンに無料で参加できるのもいいところです。
そもそも、TTを受ける前に、ある程度ヨガレッスンに参加することが必須となっていました。
FIRSTSHIPの特徴として、解剖学的知識を踏まえた上でのヨガの実践がありますが、その特徴が色濃く反映されたレッスンが多いので、
TTで自分がレッスンを組み立て、行う上でのいい参考になりました。
- ヨガ(前屈、後屈、ツイスト、逆転などそれぞれの動きに特化したヨガ)
- アロマヨガ
- リストラクティヴヨガ
様々なレッスン内容があるのも魅力の一つ。
レッスンを行う先生は、FIRSTSHIPの講師、業務委託の講師など様々だったのですが、だいたい、それぞれにお気に入りの先生が見つかり、
TTで一緒になった人と、「あの先生いいよね~」とよく話題になりました。
TT(ティーチャートレーニング)
一定の期間をおいて、各校舎でTTが開催されます。
自分が参加したいTTを見計らって、だいたいのレッスンの受講を終えます。
TTの期間は、だいたい3か月。
学ぶ、インプットするという過程がメインのそれまでの授業とは打って変わって、
TTでは、教える、アウトプットする、というのがメインになります。
そのTT全体の人数にもよりますが、最初は、ランダムにグループを組んで練習し、終盤に、固定のグループを組んで、その中で教え合う練習をします。
↑TTの仲間。
卒業後の同窓会的な集まりの時に撮影したもので、実際にはこの二倍以上の人数、四十数名がいました。
このうち、男性は3人でした。
在学中にレポート(課題)提出
宿題もあります。
当時の宿題の内容は、ヨガレッスンに参加し、講師の動きで気づいたことなどをレポートにして出す、というものでした。
TT終了までに、一定数出す必要があるので、こまめにこなさなければならない課題でした。
先生として一時間の授業を行う
最後の課題が、先生として一時間の授業を行うことです。
当時は、在校生以外の人(旦那さんや両親、友達など)を呼んで、500円でレッスンに参加してもらうことが可能でした。
レッスンをして、初めて対価をもらうことができる、ということですね。
レッスンのだいたいの流れは、それまでのTTで習ったことを反映するので、まったくのオリジナルではないのですが、
インストラクターとしての立ち振る舞い、ホスピタリティ、正確な声かけ、ハンドアジャストメントなど、すべてをTTの講師が見ています。
基本的に、落第者というのはいないのですが、ここでレッスンをして、フィードバックをもらいます。
この一時間までにどこまでできたかによって、その後自分が本当にインストラクターになりたいのか、なれるのか、分かってくると思います。
FIRSTSHIPの教え方の特徴
座学と実技のバランスが良い
TTまでのレッスンでは、座学の時間もかなりあります。
ヨガポーズの授業であっても、座学の時間があります。
TTは、動いたなあという印象が強いです。
土日のTTでは、土日両方とも、一日中ヨガをしていることになるので、結構疲れます。
解剖学や哲学の知識を交えてヨガを学べる
では、ヨガのレッスンで何を座学で学ぶかというと、
解剖学や哲学です。
一つのポーズを行うのに、そのポーズがどの筋肉を使うのか、その筋肉を活性化させるためにどのような準備ポーズが有効なのか、
軽減法(道具の活用を含めて)が必要かどうか、どのような手段があるか、というのが解剖学的知識です。
哲学は、例えばアヒムサ(非暴力)とか、安定、快適さなど、ポーズの奥に秘められた教えを学びます。
安全に行うことを重視している
怪我をしないように、ストレスを与えないようにヨガを教えるテクニックを教えてくれます。
アシュタンガヨガのような、難易度の高いヨガを教えることは、あまり想定されていません。
どのようなことが、安全につながるかというと、
- 禁忌、やってはいけない動きを説明する
- デモンストレーションをする
- 必要に応じて軽減法を提案する
- 道具を使う
- ハンドアジャストをしてもいいかの確認と適切な実施
このようなことです。
最後のハンドアジャストとは、講師が主に手を用いて、生徒の体を抑えたり、ひっぱったりなどというサポートをすることです。
これを全くされたくないという生徒さんもいるので、それを最初に確認することなども一つの方法として提案されていました。
ポーズでは内側の働きかけをしっかり解説する
生徒が先生の動きをまねるというだけでなく、
どこに意識をもっていくのかについてインストラクションすることを内側の働きかけといいました。
例えば
- 後ろ足でしっかり床を押して
- 下側のお腹が落ちないようにしっかり引き上げて
- 背骨を伸ばしたまま股関節から屈曲して
- 吐く息とともにねじりを深めて
などです。
ヨガスタジオなどでは、ただ流れでポーズを行うことが多いのですが、
この内側の働きかけがポーズごとにしっかり身についていると、
たとえインストラクターにならなかったとしても、RYT200を受けた甲斐がある、と思えるくらい練習の質が上達します。
ヨガのポーズ以外のプログラムは入門的な内容
ヨガ哲学、アーユルヴェーダなど、ヨガのポーズ以外のプログラムがあると書きましたが、
RYT200で教わる内容は、どれも入門的な内容、さらっと、全体を撫でた、というくらいです。
もっと深い内容……となると、自分で哲学書を読む、アーユルヴェーダスクールに通う、呼吸法や瞑想に特化したクラスを受ける、など、他の授業やスクールでの補填が必要になると思います。
たとえばFIRSTSHIPでヨガ哲学の授業を受けたからといって、インストラクターになってから、自分がヨガ哲学についての一コマを持てるかというと、そうではない……ということです。
もっとも、知識の浅さをカバーするのに十分なトーク力がある人は別ですが。。
いかがでしたでしょうか。
ヨガの資格を取る方は、どこに通うべきか、迷われると思います。
そんな皆様の参考になれば幸いです。