安産のために、呼吸をうまくしよう……と思っている妊婦さんも多いと思います。
本稿では、呼吸が妊娠中や分娩の時にもたらす恩恵についてご紹介します。
呼吸法で陣痛に備える
ヨガは陣痛や分娩の時に支える様々なポーズも提供しますが、その最大の恩恵は正しい呼吸法のもつ力です。
正しい呼吸法を学ぶのに、最初の陣痛が目前に迫るその時まで待つことはありません。
エネルギーを大地に根付かせ、精神が天に向かって高揚することを可能にするのが呼吸の力です。
陣痛や分娩を真に効率的に行なうには、深い呼吸法がほぼ自動的に生じなくてはならないため、妊娠の初期段階から練習を始めていきましょう。
陣痛時に、浅く早い呼吸になってしまうと交感神経が刺激され、痛みに対しての「闘争・逃走反応」が生じてしまいます。
呼吸法がもたらす効果
妊娠前、または妊娠中ずっとヨガを練習していれば、呼吸がどれだけ大きな違いを練習にもたらすかを知っていることと思います。
ポーズが出来ない時に、ゆっくりと静かに呼吸をすることでポーズが簡単になった経験があるのではないでしょうか。
緊張や興奮が生じる、あるいは気が散ると、胸式呼吸になり、動きも浅く、硬くなります。
一方、身体を呼吸で満たすようにすると、身体が活発になり、動きが内側に深く入り込み、動きのもたらす感覚に身を委ね、それを楽しむことができるようになります。
そして、筋肉がそれに反応して、伸展、軟化、弛緩します。
突如として、より柔軟でリラックスした気分になることでしょう。
推奨されている呼吸法
※止息なしで行う。
- 完全呼吸法
- 勝利の呼吸(ウジャーイプラーナーヤーマ)
- 片鼻呼吸法(ナディショーダナ)
呼吸法を行う時、吐気がある場合は、何かしらの声を出した方がいいかもしれません。
うめき声や大きなため息、痛みがあるときに助けてくれるような音を発するのも良いでしょう。
赤ちゃんの分まで呼吸する
妊娠中にヨガの呼吸法(プラーナーヤーマ)を練習すれば、成長している赤ちゃんに、癒しの愛のこもった呼吸 (プラーナ)を送り込むことができます。
妊娠中は2人分の食べ物を摂取するだけでなく、2人分の呼吸もしています。
赤ちゃんに成長に必要な酸素と癒しのプラーナ(生命力) を供給しているのです。
吸気により自分だけでなく赤ちゃんにも栄養と活力を与え、呼気により身体の緊張を解き、浄化させています。
妊娠の間ずっと、ヨガのポーズと意識的な呼吸によって、筋肉を弛緩させて開き、靭帯を軟化・伸展させ、身体の力強さとアライメントが改善されたことを感じてきたのであれば、
今まさに陣痛を迎えるというとき、これまでと同じように動き、呼吸ができることでしょう。