アーユルヴェーダの料理とは何でしょうか。
私が考える「アーユルヴェーダの料理」についてお伝えします。
アーユルヴェーダ料理とは
皆さんはアーユルヴェーダの料理というとどんなものを想像しますか?
- ヘルシーなベジタリアン料理
- スパイスを使った料理
- インド料理
このようなイメージをされる方が多いかもしれません。
スパイスやインド料理のイメージが強いのは、
アーユルヴェーダが生まれたインドの日常食、家庭料理だからです。
もしアーユルヴェーダが日本で生まれたものだったら、違うものになっていたはずです。
けれど、アーユルヴェーダ料理はインド料理だけに限られたものではありません。
アーユルヴェーダをツールとする
アーユルヴェーダの目的は一言では表しにくいですが、
「健康、若返り」をサポートするものです。
アーユルヴェーダの目的に沿うものであれば、アーユルヴェーダ料理といえると思います。
しかし、
アーユルヴェーダ料理を作ろう!と
と頑張ったりせず、それを目的にすることなしに、
心と身体を健康に保ち、かつ健康を増進するツールとして、
アーユルヴェーダの知恵を役立てられれば良いと思います。
古典アーユルヴェーダの原則
アーユルヴェーダとは、5千年以上の歴史のあるインドの伝統医学・予防医学です。
以下のような、健康で幸福でいるための食事のヒントを教えてくれます。
- 消化力(アグニ)を強くする、未消化物(アーマ)を溜めない
- 体質に合ったものを食べる
- 6味(甘味、酸味、塩味、辛味、苦味、渋味)を取り入れる
- 作りたてのものを食べる
- 季節、風土に合ったものを食べる
etc…
古典に書いてある、アーユルヴェーダの食事に関するアドバイスは、現代の日本においても役立つものです。
ひとつひとつ見ていきましょう。
消化力を強くする
消化力のこと、アーユルヴェーダでは「アグニ」と呼んでいます。
食べ物を消化する「消化」だけでなく、5感を通して取り入れるもの全ての「消化」を含みます。
見たもの、聞いたもの、におい、触れたもの、食べたもの、5感以上(第六感)のもの……
人生経験に対する「消化」も含みます。
アグニが弱まることにより、私たちの身体にアーマという毒素が溜まり、それがすべての病気の素となると考えています。
アグニを弱めないよう、
- ほどほどの量を食べる
- 消化力にあったものを食べる
- 食事に集中する
- よく噛んで食べる
- さみしい、悲しい、怒りなどの感情を抱いている時に食べない
などを心がけることが重要です。
体質にあったものを食べる
何を、どんな風に食べれば健康で生きられるか。
これは人により、時と場合により刻々変化します。
- ライフステージ -幼少期・青年期・壮年期・老年期―
- ダルマ -ヨガ行者・僧侶・営業マン・母親・戦士―
- 体質 -アレルギー・糖代謝・葉酸代謝・DNA(サートミヤ:遺伝的な慣れ)―
- 状態 -元気はつらつ・風邪気味・太ってきた・花粉症・便秘・生理中・妊娠中―
例えば、上記のような項目が違えば、食べるべきものも、当然変わります。
状況に合わせ、注意深く食べ物を選択することが重要です。
6味を取り入れる
ラサとは、味のことです。
『舌の感覚器官(Rasna Indriya)によって感知されたグナ(質)がラサである』
と文献は述べています。
しかし、味が機能するのは舌の上だけに留まりません。
身体の全ての器官に重要な効果をもたらします。
脳は、入って来た味によって、特定の臓器が働くよう指令を出します。
そのため、味の偏りは、特定の臓器を疲弊させるか、不活性にさせます。
どの味もバランスよく摂取することによって、体の各器官をバランスよく活性化させられます。
作りたてのものを食べる
「出来立てのものはおいしい」
と感じたことはありますか?
出来立てのものには、その食材が本来持っている生命力エネルギーがあります。
自然のバランス「ドゥワンダ」が残っているものが、滋養を与え、健康を養ってくれます。
季節・風土に合ったものを食べる
地域性、風土、サートミヤ(民族性、遺伝的な慣れ)に合った食事をする、という教えがあります。
伝統的に食べられているものや、地方に伝わる食べ方は、その土地の人々の健康を支えています。
日本人は山と海の民。
しいたけから出汁を摂り、貝に養われてきました。
四季のある日本の風土を理解し、伝統食にも敬意を払いたいものです。
その土地で、その季節に取れるものを、消化しやすく、食欲がわくように調理して食べることは、
アーユルヴェーダの理にかなっています。
直接経験から取捨選択する
一般的にいいと思っているものが、自分にもいいとは限りません。
同じ人でも、その時々によって異なります。
何を、どんな風に食べたら良いのか……
これを知るためには、直接的な経験から考えるしかありません。
普段の自分や、自分の周りの人の食生活や体調を関連付け、ていねいに観察する……
その姿勢や態度は、食事だけでなく、人生に対して、是非養いたいものです。
アーユルヴェーダの食や、栄養学、食事学に興味をもたれましたら、
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