健康的な食事をしたい方に気にかけてもらいたいのが、ラサ(6味)。
アーユルヴェーダ食事法における、重要なポイントです。
ラサ(Rasa)とは
ラサとは、味のことです。
『舌の感覚器官(Rasna Indriya)によって感知されたグナ(質)がラサである』
と文献は述べています。
しかし、味が機能するのは舌の上だけに留まりません。
身体の全ての器官に重要な効果をもたらします。
脳は、入って来た味によって、特定の臓器が働くよう指令を出します。
そのため、味の偏りは、特定の臓器を疲弊させるか、不活性にさせます。
6味は以下の6つです。
- 甘味(Madhura マドゥーラ)
- 酸味(Amla アムラ)
- 塩味(Lavana ラヴァーナ)
- 辛味(Katu カトゥ)
- 苦味(Tikta ティクタ)
- 渋味(Kashaya カシャーヤ)
6味と五大元素・ドーシャとの関係
6つの味は五大元素からできています。
五大元素がユニークに組み合わさることによって、味に違いができます。
また、味が器官に対し機能することで、体のドーシャに影響が出ます。
それぞれの味と五大元素・ドーシャとの関係、および味がもつ性質を以下にまとめました。
※ある特定の味はとってはいけないとか、たくさんとったほうが良いとかではなく、自分のドーシャの乱れとよく照らし合わせながら、全ての味を摂るのが望ましいです。
甘味
五大元素 | ドーシャへの影響 | 性質 |
地・水 | V↓P↓K↑ | 冷・重・油 |
酸味
五大元素 | ドーシャへの影響 | 性質 |
地・火 | V↓P↑K↑ | 温・重・油 |
塩味
五大元素 | ドーシャへの影響 | 性質 |
水と火 | V↓P↓K↑ | 温・重・油 |
辛味
五大元素 | ドーシャへの影響 | 性質 |
火・風 | V↑P↑K↓ | 温・軽・乾 |
苦味
五大元素 | ドーシャへの影響 | 性質 |
風・空 | V↑P↓K↓ | 冷・軽・乾 |
渋味
五大元素 | ドーシャへの影響 | 性質 |
風・地 | V↑P↓K↓ | 冷・軽・乾 |
ドーシャについて知りたい方はこちら
>>アーユルヴェーダとは
性質(グルヴァディグナ)について知りたい方はこちら
>>グルヴァディグナとは
6味が心身にもたらす影響
6味が心身に果たす役割はそれぞれ異なります。
似通っているものもありますが、全ての効果を得るためには、やはりバランスよく全ての味を食事に取り入れることが望ましいでしょう。
甘味
- 心と身体を養い元気にする。
- 飢えや渇きを取り除く。
- 全ての組織を増やす
酸味
- リフレッシュさせる
- 体重を落とすのを助ける
- 痙攣や震えを和らげる
- 食欲・消化を促進する
塩味
- 重さを除去する
- 身体をきれいにする
- 消化力と食欲を増進する
- 組織を柔らかく、のびやかにする
辛味
- 身体から分泌物を流す
- 食欲増進
- 精液、母乳、脂肪のような、カパ的な組織を減らす
⇒摂り過ぎは生殖組織を枯渇させる
苦味
- 分泌物を浄化し乾かす
- 催淫的でなくす
⇒過剰な性欲を減らす - 全ての味を通常の状態に戻すことで、組織を調整する
- 肌荒れや熱を抑える
渋味
- 癒しと浄化
- 身体を圧縮する
- 性欲にかられないよう制御する