かつて通貨として取引されていたというほど、商品価値が高いスパイス「胡椒」。
本稿では、そんな胡椒の特徴や種類など、胡椒の基礎知識をお伝えします。
なお、胡椒を使った料理は、森の時計のスパイス基礎講座「胡椒」で学べます。
胡椒
スパイスをあまり使っていない……
という方のご自宅にも、「胡椒」ならあるのではないでしょうか。
胡椒もれっきとしたスパイス。
消化液の分泌を促進し、料理をおいしくします。
学 名: Piper nigrum |
科 名; コショウ科コショウ属 |
サンスクリット名: マリチャ(黒胡椒) |
英名/和名: pepper / コショウ |
生 薬 名: 胡椒 |
原 産 地: インド南西マラバール地方 |
使用部位: 未熟な、または熟した実 |
胡椒の種類
よく料理に使うのは、
- ホワイトペッパー(いわゆる塩コショウの胡椒)
- ブラックペッパー
この2つかと思います。
ブラックペッパーとホワイトペッパーの違いは生成方法にあります。
未熟なグリーンペッパーを短期間発酵させ、乾燥させますたのがブラックペッパー。
熟したら実を摘み取り、水に浸して外皮を取り、天日干しにしたのがホワイトペッパー。
他にも
- レッドペッパー
- グリーンペッパー
- ひはつ
など、胡椒には様々な種類があります。
料理への使い分け
ブラックペッパーとホワイトペッパーは、味や色が異なります。
意図した料理に仕上がるよう、使い分けるのがおすすめです。
ブラックペッパーを使う
黒胡椒は料理に香りと風味、辛味を与え味を良くします。
甘味があるものも特徴です。
用途としては以下の通りです。
煮汁、スープストック、サラダドレッシング、ソース、スパイスミックス、マリネ液、野菜炒め、燻製、オーブン料理、フルーツや甘いパン、ケーキなど
ホワイトペッパー
魅力的な見た目を崩すことなく香りや風味をつけられるので、色の薄いソースやクリームスープに使えます。
調理中に他のスパイスの香りを引き出しながら、胡椒本来の香りもキープし続けます。
辛味が強いので、慎重に使いましょう。
胡椒の使い方のコツ
ブラックペッパーもホワイトペッパーも、挽いて粉にすると香りと風味が急速になくなります。
本来の風味を楽しむなら、丸のままの実を買って、使うたびに胡椒用のミルで挽くか、乳鉢で粉にするのがおすすめです。
胡椒の効果効能
消化促進・食欲増進
胡椒の辛み成分「ピペリン」により唾液や消化酵素の分泌が促され、胃腸の血行もよくなり、消化が促進されます。
血行促進
ピペリンが血管を拡張し、身体の末端まで血流が行き届き、冷え性の改善に役立ちます。
脂肪分解効果
ピペリンには交感神経を刺激し、脂肪分解酵素が活発になります。
抗酸化作用(アンチエイジング)
抗酸化作用のあるピペリンやポリフェノールを含んでいます。
リラックス効果
香り成分のβカリオフィレンが神経をリラックスさせ、精神を安定させてくれます。
抗菌・防腐・防虫効果
細菌や、胡椒の香り成分を嫌う虫の食害を防ぎます。
インドの予防医学アーユルヴェーダでは
アーユルヴェーダでは特に黒胡椒が珍重されます。
数あるスパイスの中で、最も強力な刺激剤の一つと言われています。
アグニを燃え立たせ、毒を燃やし、消化液の分泌を促進します。
胡椒の使い方を学ぶ│森の時計スパイス基礎講座
森の時計のスパイス基礎講座で、胡椒の基礎知識、料理への使い方を学べます。