アーユルヴェーダの体質別おすすめのハーブをご紹介します。
いつも飲んでいるジュースやコーヒーの代替えに何を飲んだらいいかしら、と疑問を持っているみなさまに、良いヒントが見つかりますように。
アーユルヴェーダと飲み物
ドリンクは、ほしい効能を少ない手間で得るために便利です。
アーユルヴェーダが勧める飲み物の中で、一番お手軽なのは「白湯」です。
白湯を飲んだだけで、
- 便秘の解消
- 下痢止め
- 肩こり
- むくみの解消などの効果が期待できる
- ヴァータの方向性(下向き)を正しくし、しゃっくり(上向き)に効果がある
などの効果があると期待されています。
とはいえ、白湯ばかり飲むのも味気ないもの。
心身の健康を高め、バランスの乱れを整え、消化を助け、さらに味覚を満足させてくれる…そんな飲み物を自分で作れたら、嬉しいですよね。
そこで今回は、ドーシャ別おすすめのハーブを5つずつ紹介します。
シングルでも、ブレンドでも、楽しめます。
ドーシャについて
アーユルヴェーダでは、人間を大きくヴァータ・ピッタ・カパの3つの体質に分類します(可変性の体質、普遍性の体質があります)。
この3つのエネルギーのことを「ドーシャ」と呼びます。
現在、自分の中で優勢なエネルギーが何かによって、抱きやすい感情や、症状を予測し、予防することができます。
>>ドーシャとは
>>【ヴァータ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
>>【ピッタ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
>>【カパ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
ハーブとは
ハーブはラテン語で、もともとは植物全般を意味していましたが、現代では「健康や美容に効果のある香りのある植物」を指すことが多くなりました。
ハーブの歴史は深く、紀元前3千年前、文明の発達と同時にけがや病の治療に役立てられていたという記録があります。
アーユルヴェーダ発祥の地インドにも多くのハーブがあり、アーユルヴェーダの古典書の中にも、約千種類の植物についての記載があります。
現在、ハーブを使った植物両方はメディカルハーブなどとも呼ばれ、症状の緩和だけでなく、心身の健康増進、リラックス効果や、美容効果を目的とし、日常の中に取り入れられています。
ハーブ療法の効果
ハーブがもたらす良い作用、生活の中に取り入れることによる一般的な効果は以下のとおりです。
鎮静・活性作用
心を落ち着け、リラックスする作用があります。
また、逆に鼓舞してパワーを与える作用もあります。
浄化作用
排出を促し、老廃物を除去するデトックス作用があります。
アンチエイジング・美容効果
抗酸化作用、ミネラル、ビタミンの補給ができることから、老化防止、美容効果が期待できます。
体質改善
持続的に取り入れることで免疫力がアップし、自然治癒力が高まります。
体質別おすすめハーブ
体質別のおすすめハーブをご紹介します。
ヴァータにおすすめのハーブ
常に何かを考え、フットワークが軽く新しいものを求める好奇心旺盛な性格です。
しかし、体が弱く、その動性から、様々な要因によって乱れやすいドーシャでもあります。
そんなヴァータの方には、身体を温める、思考・行動を落ち着かせる、消化を促進する作用のあるハーブをお勧めします。
ヴァータについてはこちらの記事で詳しく書いています。
体を温めるレッドグレープリーフ
学名 | Vitis vinifera |
科名 | ブドウ科 |
味 | 酸味、渋味/ほんのりグレープの風味 |
作用・効能 | 肝臓機能回復、眼精疲労、冷え性、血中コレステロールを低下、高血圧予防 |
飲み方(シングル) | 小1をお湯に入れ5分蒸らす |
おすすめブレンド | ジャーマンカモミール、ペパーミント、ラベンダー、レッドクローバー |
消化促進・フェンネル
学名 | Foeniculum vulgare |
科名 | セリ科 |
味 | 甘味/甘くスパイシーな香り |
作用・効能 | 駆風作用、消化促進、鼓腸・疝痛、母乳の出を良くする |
飲み方(シングル) | 小1をつぶしてお湯に入れ5分蒸らす |
おすすめブレンド | コリアンダーシード、ダンディライオンルート、ミルクシスル |
便秘改善に・ルイボス
学名 | Aspalathus linearis |
科名 | マメ科 |
味 | 甘味、渋味/深みのある方向と甘さ |
作用・効能 | 冷え性、アレルギーの諸症状、便秘・美白 |
飲み方(シングル) | 小1をつぶしてお湯に入れ5分蒸らす |
おすすめブレンド | ローズヒップ、ローズレッド |
いわずと知れた消化促進剤・ジンジャー
学名 | Zingiber officinale |
科名 | ショウガ科 |
味 | 苦味/辛味がありつつ爽やかな味 |
控えた方がいい方 | 妊娠中の方(要相談)、胆石のある方 |
作用・効能 | 消化促進、鎮痛、関節炎などの炎症性疾患、乗り物酔い |
飲み方(シングル) | 小さじ1を5分煮出す。蜂蜜を加えると飲みやすくなる。 |
おすすめブレンド | シナモン、マテ、サフラワー、ローズマリー |
体を丈夫にするホーリーバジル(トゥルシー)
学名 | Ocinum spp. |
科名 | シソ科 |
味 | 辛味/ほろ苦い香りと爽やかな味わい |
控えた方がいい方 | 妊娠中の方 |
作用・効能 | 発汗作用、解熱作用、風邪、咳、関節痛、神経調整作用 |
飲み方(シングル) | 小1を火を鍋に入れ一煮立ちさせる。 |
ピッタ におすすめのハーブ
心にも体にも火があり、カッとなりやすく火照りやすいピッタの方には、身体のほてりをとり、鎮静効果、リラックス効果のあるハーブをお勧めします。
ピッタについてはこちらの記事で詳しく書いています。
大地のリンゴ・ジャーマンカモミール
学名 | Matricaria recutita |
科名 | キク科 |
味 | 甘味/リンゴのような甘くさわやかな香り |
控えた方がいい方 | キク科の植物にアレルギーのある方 |
作用・効能 | 消炎、鎮静、胃炎、胃潰瘍、生理痛、精神不安、不眠 |
飲み方(シングル) | 小1をお湯に入れ5分蒸らす |
おすすめブレンド | マロ―ブルー、ローズヒップ、ヒース、パッションフラワー、リンデン |
天然の胃腸薬・ペパーミント
学名 | Mentha piperita |
科名 | シソ科 |
味 | 渋味/清涼感のある風味 |
作用・効能 | 駆風、健胃、胃もたれ、胸やけ、吐き気、痙攣性の痛み |
飲み方(シングル) | 小さじ2をお湯に入れ、5分蒸らす。 |
おすすめブレンド | ジャーマンカモミール、レモンバーベナ、ヤロウ、ラベンダー |
イライラを緩和する甘さ・リコリス
学名 | Glycyrrhiza glabra |
科名 | マメ科 |
味 | 甘味/砂糖の50倍の甘さ |
控えた方がいい方 | 妊娠中、授乳中、糖尿病、肝障害、腎臓疾患、高血圧の方 ※多量・長期の服用には注意が必要 |
作用・効能 | 去痰、抗アレルギー、消炎、上気道カタル、気管支炎、胃・十二指腸潰瘍 |
おすすめブレンド | 苦味のあるハーブと一緒に取ると苦味が和らぐ。生のジンジャーを煮出し、リコリスを少量入れて濾して飲むのも良い。 |
女性に嬉しい・ローズ
学名 | Rosa spp. |
科名 | バラ科 |
味 | 苦味、辛味、渋味、甘味/ほんのりと甘いローズの香り |
作用・効能 | 神経過敏、便秘、下痢、冷却、口内炎、更年期障害、月経のトラブル |
飲み方(シングル) | 小さじ1をお湯に入れ、5分蒸らす。 |
おすすめブレンド | カモミールジャーマン、ルイボス |
炎症・粘膜保護に・マーシュマロウ
学名 | Althaea officinalis |
科名 | アオイ科 |
味 | 甘味、苦味/とろみと根の苦味がある |
作用・効能 | 粘膜の炎症、空咳、胃炎、口内炎 |
飲み方(シングル) | 小2を7分煮出す |
おすすめブレンド | リコリス、エルダーフラワー |
カパにおすすめのハーブ
カパは安定感があり、落ち着いていて、乱れにくいドーシャ。
しかし、過剰になると一日中眠いといったような惰性が増え、体重が増え、鼻づまりなどになりやすくなります。
そんなカパの方には、気分をスッキリさせ、排出効果のある苦味のあるハーブをお勧めします。
カパについてはこちらの記事で詳しく書いています。
鼻水・鼻づまりに・エルダーフラワー
学名 | Sambucus nigra |
科名 | スイカヅラ科 |
味 | 甘味/甘くやさしい風味 |
作用・効能 | 風邪・インフルエンザの初期症状、花粉症、抗アレルギー |
飲み方(シングル) | 小さじ2をお湯に入れ、7分蒸らす |
おすすめブレンド | ネトル、ペパーミント、アイブライト、ルイボス |
むくみ改善・アルファルファ
学名 | Medicago sativa |
科名 | マメ科 |
味 | 甘味、渋味/緑茶に似た風味 |
作用・効能 | コレステロール降下、強壮、糖尿病、甲状腺の機能不全、むくみ |
飲み方(シングル) | 小さじ1をお湯に入れ、5分蒸らす |
おすすめブレンド | ネトル、ギムネマ、スイートクローバー |
抗菌・芳香を楽しむクローブ
学名 | Eugenia caryophyllata |
科名 | フトモモ科 |
味 | 苦味、渋味/刺激的でスパイシーな香り |
作用・効能 | 抗菌、鎮痛、口腔粘膜の炎症、消化器系の不調、頭痛 |
飲み方(シングル) | 5粒ほどつぶしてお湯に入れ、5分蒸らす |
おすすめブレンド | 独特の芳香があり、ミルクとのブレンド、チャイなどにも使う |
スペアミントでリフレッシュ
学名 | Eugenia caryophyllata |
科名 | シソ科 |
味 | 甘味、酸味、苦味、渋味/清涼感がありまろやか |
作用・効能 | 健胃、抗菌、リフレッシュ効果、消化不良、鼓腸、乗り物酔い |
飲み方(シングル) | 小さじ2をお湯に入れ、5分蒸らす。フレッシュの場合は、葉を10枚ほどいれ、お湯を注ぐ。 |
おすすめブレンド | ヒソップ、ローズマリー |
アレルギー症状緩和に・ネトル
学名 | Urtica dioica |
科名 | イラクサ科 |
味 | 甘味、苦味、渋味/緑茶のような風味、青々とした草の力強い香り |
作用・効能 | 浄血、造血、利尿、花粉症・アトピーなどのアレルギー疾患、尿道炎 |
飲み方(シングル) | 小さじ2をお湯に入れ、7分蒸らす |
おすすめブレンド | ペパーミント、スペアミント、エルダーフラワー、レッドクローバー |
ハーブティーのブレンド
シングルで飲んでも良いですし、いくつかのハーブと組み合わせて飲んで味の違いを楽しむのも良いでしょう。
お花のハーブを入れる時には、オートムギ、ハトムギ、レモングラス、マテ、黒豆、ルイボスなど、土台となるハーブを一つ入れることをおすすめします。
注意点
上記、ドーシャ別のおすすめのハーブティをご紹介しました。
ただし、このリストに捉われ過ぎないようにしましょう。
アーユルヴェーダは食材に白黒つけることはしません。
私たちには個性があり、置かれている環境や職業、立場が異なります。
そのため、同じものを摂取しても当然、感じ方が違います。
ここで取り上げていることはあくまで「例」として捉え、自分がどう感じたのかに意識を向け、最終的には自分に合ったもの選ぶようにしてください。
いかがでしたでしょうか。
砂糖入りのジュースや刺激の強い飲みものを常用している場合は、
代替えとして、ここでご紹介したハーブティーを試してみてください。
新たな飲み物の楽しみ方を発見できるかもしれませんよ^^
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