【アーユルヴェーダと女性の健康】月経異常・月経前症候群PMSに対処する

月経前症候群 アーユルヴェーダ

月経に関するトラブルは、 身体的なものから精神的なものまで、様々なものがあります。

しかし、本来は経験しなくても良いことです。

本稿では、月経に関する様々な症状と、その原因、緩和策について、アーユルヴェーダ的な視点からお伝えします。

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月経異常の種類

月経に関するトラブルには様々なものがあります。

講師は、無月経や月経遅延になりやすいという点で悩んだ時期がありましたが、

痛みがある、血の色・量が不自然などの生理的・身体的な悩みや、

情緒不安定、憂鬱など精神的なものまで、いろいろな不調を経験する方もいらっしゃいます。女性

以下表で、月経異常の具体的な症状と原因を見ていきましょう。

月経異常の種類 症状 原因
無月経 無月経、月経がほとんどない ヴァータ過剰
月経困難症 痛み、生理痛、過敏症等の様々な症状を伴う いずれかのドーシャのバランスの乱れ
過多月経 出血が長く続く、出血量が多い 過剰なピッタ

月経前症候群(PMS)

月経前症候群の症状は、 身体的なものから精神的なものまで、多岐にわたります。

長年PMSに悩まされている場合は、いつものことだと思ってしまうかもしれませんが、本来の自然な在り方ではありません。

PMSの多くの症状は、3つのドーシャのうち、1つ以上のドーシャに関連しています。

>>【ヴァータ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
>>【ピッタ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
>>【カパ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ

ドーシャ別のPMSの症状

ヴァータの症状

  • 悲しみ、気分の落ち込み
  • 不安感、孤独感
  • 絶望
  • 自己否定感
  • 動揺
  • 神経過敏
  • 腰痛
  • 便秘
  • 頭痛
  • ぼんやりする
  • 鳴り
  • めまい
  • 睡眠障害
  • 生理痛
  • 苦味、渋味、甘味を欲する

ピッタの症状

  • 過敏症
  • 動揺
  • かんしゃく、短気
  • 否定的、批判的
  • 乳房の圧痛
  • 膨張感
  • 自殺顧望
  • 勝脱炎
  • 火照り
  • 下痢
  • ニキビ
  • 月経中間期の出血
  • 出血過多
  • 月経が予定日より早い
  • 食欲の増大
  • 辛味、酸味、甘味、スパイシーなものを欲する

カパの症状

  • 気分の落ち込み
  • 引きこもる
  • 集中力の低下
  • 疲労、倦怠感
  • 膨満感
  • 涙もろい
  • 愛情、安心感を求める
  • おりもの
  • 風邪
  • 胸が張る、乳房の圧痛
  • 経血に粘液が混じる
  • 浮腫みやすい
  • 食欲不振
  • 特定の食べ物への執着
  • 甘味を欲する

皆さまに当てはまるものはありましたか?

このような不調は、なぜ生じるのでしょうか?

以下に原因を見ていきましょう。

PMSの原因

PMSの原因は様々ですが、一般的に、以下のことが考えられます。

  • 上記の症状に関連しているドーシャが乱れている(以下の項目の結果、ドーシャが乱れ、PMSの原因となる)
  • バランスの崩れた食生活、生活習慣。
  • 化学物質(農薬、化学製品、食物、水、大気中に混入しているホルモン剤)や薬品に身を晒す
  • 大気汚染がひどい
  • ラジャス過剰な食品(コーヒーなどのカフェイン飲料、発酵食品、アルコール類、 薬、 精製糖)を摂りすぎる
  • ストレスフルな状況に身を置く
  • 恨み、攻撃性、敵意など否定的な感情を抱く
  • スロータムシの詰まり

どのドーシャに関連するPMSの症状が乱れているかによって、PMSの緩和策は異なりますが、乱れているドーシャをバランスさせる必要があります。

以下では、まずPMSの一般的な緩和策、次に、ドーシャ別の緩和策について解説します。

PMSの緩和策

一般的な緩和策

どのドーシャが乱れているかに関わらず、PMSを緩和させる方法には次のことが挙げられます。

  • ストレスを減らす
  • リラックスできる時間、休息をしっかり取る
  • 栄養バランスの整った食事を摂り、刺激の強いものを避ける
  • ヨガ、呼吸法(特に片鼻呼吸法)、瞑想などの実践を定期的に行う
  • 1日に2回、ギーかナシヤ・オイルを1~2滴、鼻に垂らす
  • 小さじ1のレーズンを1晩120mlの水に浸して、レーズンを浸した汁ごと食べる
  • 生理期間中は激しい運動や、アクティブなヨガの練習を休み、リストラティブのポーズを取り入れる。
  • ヨニ・ムドラ(Yoni mudra :感党を遮断するためのヨガの実践法)を行う。

ドーシャ別PMSの緩和策

ドーシャ別のバランスの乱れに基いたPMSの緩和策には、次のことが挙げられます。

ヴァータの症状の緩和策

  • 自分の行動や身を置いている環境に満足する、納得感を持つ
  • ダシャムーラティーを飲む
  • ヴァータの時間帯にアビヤンガを行う
  • ヴァータを鎮める食べ物を食べ、乱すような食べ物を控える

ピッタの症状の緩和策

  • 優しさ、余裕を持って生活する
  • 月経前や月経中は、ハイビスカス、バラ、ミントなどのハーブティーを飲む
  • ココナッツオイルなどクーリング作用のあるオイルでアビヤンガをする
  • ピッタを鎮める食べ物を食べ、乱すような食べ物を控える

カパの症状の緩和策

  • 自然の中をゆったりと散歩する
  • ジンジャーティーを飲む
  • アビヤンガを行う
  • カパを鎮める食べ物を食べ、乱すような食べ物を控える

 


いかがでしたでしょうか。

生理前、生理中、生理後を通して、何等かの不調を経験する方は、かかりつけ医から適切なアドバイスをもらうと同時に、

自分でもできそうな緩和策を、少しずつ取り入れていきましょう。