アーユルヴェーダでは発酵食品を勧めないって本当?

アーユルヴェーダ

料理教室で生徒さまからよくいただくご質問

「アーユルヴェーダでは発酵食品を勧めないって本当?」

について回答いたします。

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アーユルヴェーダの視点から見た発酵食品

アーユルヴェーダでは「発酵食品を勧めていない」と聞いたことがあります。

先生はどう思いますか?
どのように使っていますか?

ご質問ありがとうございます!
日本は発酵食品文化ですから、ダメと言われたら悲しいですよね。。

ご質問の背景には「発酵食品を肯定してほしい」という期待をはっきり感じます。

和食に使う多くの調味料は発酵食品ですし、日本人は伝統的に発酵食品をよく使ってきた民族なので、当然ですね。

よくある誤解

アーユルヴェーダではプラーナ(生命力)を重視しているため、出来立てが大事。

保存食はあまり勧めておらず、発酵食品はあまり使われていない、という誤解があります。

アーユルヴェーダは発酵食品を勧めていないと聞いたことがある場合は、
「タマス(=心を鈍らせる性質)的だから」
という理由で説明されていることがあり、

その説を覆すために
「でも日本人は遺伝的な慣れがあるから」
とサートミヤを持ち出すというのが定番です。

しかし、アーユルヴェーダでも、
「発酵食品はアグニを強化し、健康増進のために有益
とみなされています!

ただし、適切な使い方をすれば、です。

「いつでも誰でも、たくさん食べて良いとは限らない」
と言っているだけです。

どういうことでしょうか?

心身への影響を理解する

発酵食品は必ずしも万人向けではありません。

体質(ドーシャ)への影響を考えていくことが大事です。

しかし、これは別に、発酵食品に限った話ではなく他のすべての食品も同じ。

食材に白黒つけず、原因と結果を見ようという姿勢こそがアーユルヴェーダの食事法です。

では、各ドーシャにどのような影響を与えるのか見ていきましょう。

ヴァータ

発酵食品の酸味が食欲を増進させ、唾液の分泌を促し、消化を促進します。

しかし、イーストや生きた菌には」の要素があります(ヴァータの元素と同じ)

過剰摂取するとガス、膨満感が発生します

私もパンを食べるとお腹が張りやすいのですが、長年これは小麦粉が原因だったと思っていました。

けれど、米粉パンを食べても同じことが起こると認識してからは、イーストの関連性を考えるようになりました。

ピッタ

発酵食品(酢、醤油、チーズ、キムチ、ぬか漬けなど)は主に酸味と塩味

過剰摂取すると、ピッタの熱性が憎悪します。

ピッタ優勢な人、ピッタの症状がある場合は発酵食品を「適度な摂取」に留めることが大事です。

特にはピッタが優勢になる季節ですので、発酵食品の過剰摂取にはより注意。

ミントやコリアンダーなどの清涼感のあるハーブと摂取して、熱性を緩和させるのがおすすめです。

カパ

酸味、粘性と濁性(ヨーグルト、チーズなど)がカパを憎悪させ、倦怠感、重さ、うっ滞感が増す可能性があります。

濃度を薄くして摂取するのがおすすめです。
(薄めたヨーグルト、チーズはパニールにするなど)

 

このように、今のドーシャバランスと発酵食品の質、味を考慮に入れて、食べる頻度や量を決めることが大切です。

発酵食品を使ったアーユルヴェーダフード

発酵食品を使ってきたのは何も日本人だけではありません。

発酵食品の利点は何よりも「食材の保存」であり、寒い地域で特に珍重されてきました。

発酵食品は、ぬか漬け、ヨーグルト、キムチ、ザワークラウト、醤油、味噌、納豆などの大豆製品のイメージが強いですが、

お酒、紅茶、パンも発酵食品に数えられます。

これらは日本以外の文化圏でも、古くから生活に馴染みのあるものです。

そして、実際にアーユルヴェーダ料理で登場する発酵食品も存在します。

ヨーグルトドリンク、ラッシー、ドーサ、チャイ(紅茶)、パニールなど。

講師の発酵食品の取り入れ方

私はというと、味噌、醤油などの調味料や甘酒を砂糖の代わりに常用しています。

今はpittaの問題があるので、納豆やぬか漬けは一時的に摂取を控えています。

まとめ

  • アーユルヴェーダでは 発酵食品を否定してはいない
    ⇒タマス説から誤解されることが多い
  • ドーシャバランス、季節に応じて適切に摂取するべき
  • ヴァータは酵母に反応する可能性
  • ピッタは体の熱が上がらないよう注意
  • カパは濃度を薄くするのがおすすめ
  • アーユルヴェーダでも発酵食品を使う

確かにサートミヤもありますが、だからといって日本人全員に、発酵食品がいつでも良いわけではなく

・ヴィクリティ(可変的なドーシャバランス)
・季節
・自分の心身をどのように保ちたいか

などに応じて、食べる発酵食品の種類や量、頻度を決めるべき。

グナ(性質)やラサ(味)を理解していると適切な選択がしやすくなります。

発酵食品に限った話ではなく、すべての食品を選ぶ時にも同じことがいえます。

発酵食品を上手に取り入れていきましょう。

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