妊娠中に骨盤を締める、骨盤をケアすることが重要であることは、なんとなく認識している方が多いと思います。
しかし、なぜ重要なのか、どのようにケアしたらよいかは筆者も分かっていませんでした。
先日、助産院で骨盤ケアの方法について学びましたので、本稿ではその様子についてレポートします。
※筆者は専門家ではないため、分かりやすく講義いただいた内容を、専門用語なども省き、簡潔にお伝えする形となります。
あさみや助産院の骨盤教室
骨盤ケアは、産前産後から重要……とどこかで聞いてはいたものの、知識が漠然としすぎて、骨盤ケアグッズを買おうにも、何がいいのかさっぱり分からないまま、
筆者は2021年3月中旬で、妊娠6か月を迎えようとしていました。
そろそろ本気で骨盤ケアを学びたいと思い、
愛知県一宮市のあさみや助産院の骨盤教室に参加してきました。
先生はとても気さくな方で、分かりやすい説明とアドバイスをしてくださいました。
なぜ妊娠中は骨盤が開きやすいのか
本来、骨盤は筋肉によって締まっているものです。
しかし、妊娠初期に分泌されるホルモンの関係で、妊娠中は関節や靭帯が緩くなり、骨盤が緩みやすくなります。
骨盤が広がり、内部のスペースが広がれば、子宮や内臓が落ちてきます。
これにより、腸や膀胱が圧迫され、便秘や頻尿につながります。
現代人は骨盤が緩むリスクが高い
生活の様式化が進む前の日本人は、
- 和式トイレを使っていたため、結果的に毎日スクワットのような運動をしていた
- (車などがないため)よく歩いた
- 畑仕事をしていた
- ソファ・テーブルなどがないため、床に座っていた
などの理由で、骨盤、下半身が鍛えられていたのですが、
現代の生活の中では骨盤が緩む機会が多くなっているといいます。
なぜ骨盤のケアが必要なのか?
ケアをするからには時間と労力がかかるので、「なぜそれが必要か」をはっきりさせないと、自分は継続できないだろう……というのが筆者の思いでした。
そのため、ここの部分は注意してお伺いしました。
骨盤が緩いと妊婦高血圧症候群にかかりやすくなる
骨盤が緩いと、子宮や内臓が落ちてきて、右の背骨近くにある太い血管が圧迫されてしまいます。
血が行き届きにくくなる臓器や下半身に血液を送るため、脳が血流を送ろうと指令を出します。
これにより、高血圧症になりやすくなります。
骨盤が緩いと腎機能が弱くなる
上記の理由で、腎臓に血流が送られにくくなると、腎機能が低下します。
そうなると、たんぱく尿になりやすくなります。
妊婦検診で尿の検査をしますが、たんぱく尿かどうかから、腎機能を見ていたわけですね。
骨盤が緩いと切迫早産などにつながるリスクが高くなる
骨盤が緩むと子宮や内臓が下がり、子宮頸管が子宮と骨盤底筋の間で押されて短くなります。
この圧迫による刺激で、お腹の張り(子宮収縮)が起きたり、子宮頸管が短くなって 切迫早産 の一因になると考えられています。
※切迫早産の原因には他にも様々な要因が考えられます。
骨盤を締めるのと同時に必要なケア
骨盤のゆがみを正す
骨盤のゆがみがある場合、胎児が子宮の中で動きにくくなり、お産がスムーズにいきにくくなるかもしれません。
片方の靭帯が引っ張られて、脚が痛くなるなど、生活にも支障が生じる可能性があります。
また、ベルトなどの装着により骨盤のケアをしようという時にも、自分の骨盤のゆがみを知ることは重要です。
骨盤のゆがみは、肩の高さや、脚の長さの左右差、恥骨の高さの左右差などから測ることができます。
腹直筋離開を防ぐ
腹直筋とは、肋骨から恥骨まで走行しているお腹の正面にある長い筋肉です。
妊娠中は、ホルモン(リラキシン)の分泌や骨盤のゆがみによって、この腹直筋が左右に広がりやすくなります。
そうなると、赤ちゃんが広いスペースの中で脚を広げてしまったり、身体を委ねやすい方に委ねてしまったりして、赤ちゃんが丸まっていてくれません。
逆子になるリスクも高まりますし、生まれてきてからも、赤ちゃんは関節が硬く、捻挫などをしやすくなってしまうかもしれません。
このため、腹直筋が弱い場合は、腹巻をして、お腹も締める必要があります。
※しかし、骨盤を締めずに、お腹だけ締めてしまうと、骨盤の腸骨稜が巻き込まれ、骨盤の空洞が広がり、子宮が落ちやすくなってしまいます。
仰向けの姿勢で、顔だけを上げた時、おへその1cm上ほどのあたりに左右に窪みがありますが、この開きが大きければ大きいほど、離開していることになります。
筆者も、2~3cmほど開いていたようでした。
妊娠5か月目くらいから骨盤を締めよう
妊娠初期は、つわりなどで、骨盤を締めると、より不調に感じるという方もいらっしゃいます。
しかし、早くから締めないと、骨盤が緩くなってからでは、その緩い骨盤(スペースが広がった空間)に胎児が適応し、
自分の身体に見合った大きさ以上になってしまうことがあります。
そのため、五か月目くらいを目安に、骨盤のケアがすすめられています。
骨盤の緩みチェック
立った姿勢と仰向けの状態で、ヒップのサイズを測り、差が大きいほど、骨盤がゆるんでいます。
※仰向けの状態においては、膝を曲げお尻を持ち上げ、お尻を左右に振り、内臓や子宮を上げた状態で、ヒップを測る。
筆者は、4cmと、割と開いているという結果に。
骨盤ベルトをしてみよう
筆者は、特発性側弯症と診断されているくらい、もともと歪みがあります。
右肩が高く、左肩が前に出ているのです。
先生に見てもらったところ、やはり骨盤も左側の方が前に出ていました。
そこで、ベルトは左の骨盤の方がやや引っ張られるような向きにつけます。
骨盤ベルトのつけ方も、その人の体の特徴に合わせて変えていかないといけないのですね。
ただ買って写真の通りつけてみた……というだけでは、不十分である場合もあるということです。
見てもらってよかった……。
トコちゃんベルト
今回、筆者はトコちゃんベルトⅡを購入しました。
骨盤ベルトを毎日正しく装着しよう
骨盤ベルトは、お風呂の時以外ずっとつけているのが理想的とのこと。
正しく装着するには、少し手間がかかりますが、安産のために、自分でできることは少しでもやっておきましょう。