大きくなったお腹や赤ちゃんの力強い胎動に、出産を意識し、赤ちゃんを待ちわびる気持ちが高まる妊娠後期(28~40週)。
本稿では、妊娠後期の心と身体の変化や、赤ちゃんの様子、ヨガの練習についてお伝えします。
妊婦さんの様子
大きくなるお腹
妊娠後期には、誰が見ても、妊娠していると分かるようなお腹になります。
子宮は、通常の約500倍の大きさになり、全方向に広がって助骨まで達します。
胃が圧迫され、呼吸が少し困難になることもあります。
乳房も大きくなり、敏感になります。9ヶ月目を向けることろには、胎児の位置がやや低位置に定まります。
肋骨や腹部上部への圧迫感は軽減されるかもしれませんが、膀胱の真上に胎児が位置しているため、さらに頻尿になる場合もあります。
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筆者の場合、妊娠中期にはお腹が目立つようになりました。
赤ちゃんも大きく育っていたので、自分の体のサイズ(小さい)に合うような赤ちゃんが育つように、骨盤ベルトを意識して締めるようにしていました。
妊娠後期のトラブル
妊娠後期の身体上のトラブルとしては、胸焼け、消化不良、息切れ、便秘、睡眠困難、手足のむくみ、頻尿などがあります。
食物の消化が遅くなり、便秘や消化不良を引き起こすかもしれません。
ひどいむくみや、血圧の急上昇、子宮内タンパク質の急上昇が併発した場合は、すぐにお医者さんに相談するべきです。
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筆者の場合、空気が乾燥する冬の時期に妊娠初期~中期を迎えたので、肌の乾燥はその時がピークでした。
お腹に関しては、中期以降膨らんできたので、妊娠線の予防のためボディクリームを塗り始めました。
動機や息切れも感じ、長い間立っていられない時もありましたが、大丈夫な時には、積極的にウォーキングをしていました。
ブラクストンヒックス収縮(前駆陣痛)
妊娠8ヶ月~臨月には、ブラクストンヒックス収縮(前駆陣痛)を経験する妊婦さんもいることでしょう。
この静かな痛みのない収縮は、子宮顎部を柔らかくさせて拡張することによって、子宮を分娩に備えさせます。
陣痛前のこの収縮は、妊娠の終わりが目前になってきたことの明確なサインです。
赤ちゃんの様子
妊娠後期には、もう五感全てが順次目覚めていきます。
光にも音にも反応できるようになるため、朝早く起きて日光を浴びたり、お腹に向かって話しかけたりしてあげましょう。
赤ちゃんは世界デビューのために準備をしており、吸う動作や飲み込む動作を習得し、肺呼吸への切り替えに備えています。
妊娠30週頃には、脳や神経系が発達しています。
最後の2ヶ月で赤ちゃんは皮下脂肪が増え、次第にふっくらとしていきます。
そして、世界で生き延びていくための抗体・免疫をお母さんから受け取ります。
妊娠33週頃になると、赤ちゃんは頭を下にした状態で骨盤に固定し始めます。
赤ちゃんは寝ていることが多くなり、妊娠十ヶ月に入ると胎動は少なくなります。
胎動の回数を測る(胎動カウント)ことで、赤ちゃんの健康度を把握できますが、あまり神経質にならないことも大切です。
妊娠後期のヨガの練習
ヨガの目的
陣痛や分娩に対する不安を緩和し、これから起こることを受け入れるための時間として、ヨガを練習しましょう。
ヨガのポーズの練習中はいつでも、自分の内側に意識を向けます。
この時期はできる限り休んで、分娩に備えるとともに、その後に続く新米ママの眠れない夜に備えましょう。
疲れたら休息し、必ず無理をしないようにします。
どのポーズも快適でなくなったら止めます。
不安があれば、かかりつけ医や助産師に事前に必ず相談しましょう。
心地よいと感じるポーズを適度に行う
妊娠後期のヨガの練習では、「快適に感じているか」どうかを目安にして、ポーズを選び、行いましょう。
たとえば、練習中、骨盤や腹部、胸の辺りに重さを感じ、呼吸がしづらくなるようなら、たとえ妊娠後期に推奨されているポーズだったとしても、止めるべきです。
あるいは、軽減法を取り入れ、得たい効果(肩や胸を開く、脊柱を進展する、など)を得られるようなポーズに修正します。
妊娠中期以降、大静脈 (非酸素化血液を心臓に送るポンプの役割をする最大の静脈) を圧迫するような仰向けのポーズは勧められません。
通常、深いリラックス効果を生み出すといわれるシャヴァーサナでさえ、仰向けでは不快に感じることでしょう。
その代わり、横向きに横たわり、たくさんのプロップスでサポートをすれば、その快適さを楽しむことができます。