【アーユルヴェーダ基礎知識】サブドーシャとは

サブドーシャ アーユルヴェーダ

アーユルヴェーダの基礎知識「サブドーシャ」についてお伝えします。

より的確に不調の原因を知り対処するためには、サブドーシャを知っておくと便利です。

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サブドーシャとは

アーユルヴェーダでは、個人の体質や乱れの状態を表すために、ドーシャ理論を用います。

ドーシャは、トリ(3つの)ドーシャともいわれ、ヴァータ、ピッタ、カパの3つです。

本稿で取り上げるのは、各ドーシャに関連する、微細なエネルギーであるサブドーシャです。

ドーシャ(ヴァータ・ピッタ・カパ)は知っていても、このサブドーシャについて知らない人は多いかもしれません。

ヴァータ・ピッタ・カパの要素や性質、乱れた時の症状と対処法を抑えるだけでも十分ですが、

より的確に不調の原因を知り対処するためには、サブドーシャを知っておくと便利です。

ヴァータ・ピッタ・カパについて知りたいかたはこちら↓↓
>>【ヴァータ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
>>【ピッタ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
>>【カパ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ

本稿では、

  1. 3つのドーシャそれぞれがもつサブドーシャを羅列し、役割を端的に説明します。
  2. 似た役割をもつサブドーシャごとに分類し、羅列します。

サブドーシャは3×5=15種類ありますので、いろいろな観点で整理して覚えましょう。

的確に不調の原因を知り対処するためにサブドーシャを知る

3つのドーシャは、さらに細かく5つのサブドーシャに分類されます。

サブドーシャは、体の中で別々の居場所を持っていて、異なる働きをし、その場でバランスを崩すと具体的な疾患が発生します。

どのサブドーシャが、どんな疾患と関係あるのかを知ることは、より正確に疾患の原因を特定し、対処する上で必要です。
(しかし、一般にはトリ・ドーシャをしっかり押さえられれば十分です。)

ドーシャごとにサブドーシャを分類

各ドーシャのサブドーシャごとに、次の項目を列挙します。

※網羅的ではありません。

・どのようなサブドーシャか
・主な働き
・位置
・疾患

ヴァータのサブドーシャ

ヴァータのサブドーシャは、〇〇・ヴァータ、〇〇・ヴァーユなどの呼ばれ方があります。

プラーナ・ヴァーユ

認識・運動・すべての身体機能に関わり、ヴァータの他のサブドーシャを指揮する。

働き 五感の能力、意識、思考力、感情のコントロール、呼吸や嚥下(食物を飲み下す)
位置 脳・頭・胸・心臓
疾患 心配、不安、神経障害、恐れ、不眠症、息切れ

>>プラーナヴァーユを整える│アーユルヴェーダ基礎知識

ウダーナ・ヴァーユ

言語機能、思考、記憶を担う

働き 思考、発話、言動
位置 横隔膜、喉、肺
疾患 言語障害、乏しい記憶力、咽喉痛、喘息、しわがれた声

サマーナ・ヴァーユ

蠕動のリズムを司る

働き 消化、同化、消化液の分泌、胃から腸に食物を運ぶ
位置 胃、腸
疾患 消化不良、食欲不振、膨張感、ガス、下痢

ヴィヤーナ・ヴァーユ

循環に関する様々な面を司る

働き 心臓の鼓動、血管の拡張と縮小、分泌液と栄養分の循環、血圧の調整
位置 神経系、循環系を通して全身に位置、皮膚
疾患 運動障害、血行不良、心臓発作、脳卒中、下肢のむくみ

アパーナ・ヴァーユ

老廃物の除去、性機能、月経の役割を担う

働き 栄養分の完全吸収、老廃物の除去、性機能、月経、免疫を強化
位置 骨盤、大腸、生殖器官
疾患 下痢、便秘、無月経、月経困難症、不妊症、座骨神経痛、大腸炎、前立腺肥大

 

ピッタのサブドーシャ

サーダカ・ピッタ

考え抜く力、知性、思考、認識を処理する

働き 心臓の機能の調整、心理的な満足感、記憶力、知性、自尊心、恋愛感情
位置 心臓
疾患 自信の低下、心臓疾患、記憶喪失、情緒不安定、優柔不断、人生に不満を抱き向き合えない

アーローチャカ・ピッタ

外界のものを見る能力

働き 視力、真実を認識する
位置 目、瞳孔
疾患 目の充血、目の疾患、結膜炎、物貰い

パチャカ・ピッタ

食物を消化する機能

働き 消化力、食べ物の吸収・同化、体温調整
位置 胃、小腸
疾患 胃酸過多、潰瘍、不規則な消化(消化不良・消化力の過剰)

ブラジャカ・ピッタ

皮膚に関わる。体温、汗、皮脂を調整する。

働き 艶と色をもたらす、肌からの吸収、顔色
位置 皮膚
疾患 にきび、湿疹、皮膚炎、皮膚ガン、発疹

ランジャカ・ピッタ

血液、解毒に関わる

働き 赤血球の生成、血液成分の調整、胆汁、白血球の生成
位置 赤血球・肝臓・脾臓
疾患 貧血、肝炎、胆石、脂肪肝、高コレステロール、黄疸、敵意、怒り

 

カパのサブドーシャ

タルパカ・カパ

鼻・口・目の保護と骨髄液の維持

働き 鼻・口・目を潤ませておく、骨髄液を維持し中枢神経系をサポート、安定性をもたらす
位置 鼻腔、頭、心臓、脳脊髄液
疾患 鼻づまり、花粉症、不満、脳腫瘍

ボーダカ・カパ

味覚・嗅覚を通し世の中に反応

働き 口に関連した腺に潤滑をもたらす
位置
疾患 味覚障害、糖尿病、肥満

クレダカ・カパ

消化管の内壁を保護する役割

働き 胃壁を潤す、食べ物を液化させる
位置
疾患 ・過剰……過剰な痰、肥満、糖尿病、高コレステロール
・不足……低血糖、消化性潰瘍

シュレーシャカ・カパ

全身の関節の潤滑油として機能

働き 骨と関節を結合、関節を潤滑にする
位置 関節
疾患 関節がゆるむ

アヴァランバカ・カパ

支える役割があり、スタミナの源

働き 胸、肺、背中を強靭に保つ
位置 心臓、胸、腰
疾患 呼吸障害、無気力、執着、肺疾患、肺鬱血、気管支炎、喘息、肺炎

 

大まかな役割ごとにサブドーシャを分類

脳・心臓の働きに関係

各ドーシャの代表的なサブドーシャで、スピリチュアル的・感情的側面をもつもの

  • プラーナ・ヴァーユ
  • サーダカ・ピッタ
  • タルパカ・カパ

頭部・感覚器官に関係

  • ウダーナ・ヴァーユ
  • アーローチャカ・ピッタ
  • ボーダカ・カパ

消化作用をサポートする

  • サマーナ・ヴァーユ
  • パチャカ・ピッタ
  • クレダカ・カパ

循環・皮膚・関節・体の表面に関係

  • ヴィヤーナ・ヴァーユ
  • ブラジャカ・ピッタ
  • シュレーシャカ・カパ

内臓・老廃物と関係

  • アパーナ・ヴァーユ
  • ランジャカ・ピッタ
  • アヴァランバカ・カパ

 


いかがでしたでしょうか。

サブドーシャの詳細については、具体的な経験や症例に当てはめて考えないと覚えられないかと思いますが、まずは全体をざっくりと把握しましょう。