アーユルヴェーダとはなんでしょうか?
額にオイルを垂らしてマッサージをするイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
確かにそれもアーユルヴェーダですが、オイルを使った回復療法のほんの一部分にすぎません。
アーユルヴェーダが取り扱っている領域は、驚くほど広範囲にわたり、私たちの生活全てに対して、より良くするためのガイドライン(指針)を示すことができるといっても過言ではありません。
【アーユルヴェーダが指針を示すものの例】
- 食生活
- 生活習慣
- 性的コントロールの管理
- 良質な睡眠
- 呼吸法、瞑想、ヨガ
- アロマ、マッサージ
本記事では、アーユルヴェーダとは何か?について、端的に説明します。
WHOが認める!5千年の歴史を持つ伝統・予防医療・アンチエイジング
Ayとはサンスクリット語で、ayurは「生命」vedaは「科学」、直訳すると「生命の科学」です。
5,000年以上の歴史をもつインドの伝承医学・予防医学・若返り法で、多くは口伝です。
世界三大医学の一つであり、中医学、ギリシャ医学もその影響を受けているとされています。
ちなみに、世界三大医学の他の二つは、「中医学」「ユナニ医学」です。
アーユルヴェーダを一言で言い表すと、より幸福に過ごすための「生活の知恵」です。
その知恵は、5,000年の歴史の中で、主に経験的に、その効果が証明されてきましたが、最近では、WHOがその有用性を認め、代替医療として推奨しています。
西洋医学・現代医学との違い
現代医学、西洋医学とアーユルヴェーダとの違いを以下の表にまとめました。
このように比較すると、アーユルヴェーダの特徴が浮き彫りになります。
表の中にはいくつものポイントが含まれています。
特に、アーユルヴェーダは西洋の「問題」に焦点を当てる取り組み方と異なり「原因」に焦点を当てることが特徴です。
また、個人の体質はそれぞれ異なるため、当然処方や勧められる食べ物・行動も人によって異なります。
いわばオーダーメイドの予防医学・回復療法なのです。
病気の6ステップ・「真の健康」とは
みなさんは今、健康ですか?
イエス、ノー。
その答えの根拠は何ですか?
私たちは健康でいたいと言います。でも健康な状態とはどんな状態ですか?
便秘、肩こり、慢性疲労これらを通常なものとして受け入れているのに、健康だと答えた人はいませんか?
何かに抵抗感を感じながら、我慢して生きている。月曜日が億劫。会社続けていいのかな?つまらないな?毎日流れに任せてふわふわと生きている……それでも健康だと答えた人はいませんか?
アーユルヴェーダのめざす「真の健康」とは、現代医学的な「病気でない」状態のことではありません。
もっと高次のものです。
【病気の6ステップ】
- 蓄積
- 憎悪
- 拡散
- 定着(病名がつく)
- 病気の症状が出る
- 取り戻せない状態
アーユルヴェーダでは、問題がまだ種(①)の状態でも病気とみなします。一方、現代医学では芽が出始めた段階(④)になって、初めて病気だと診断します。
原因と結果の法則(カルマの法則)と自己責任
自分の健康管理を、お医者さん任せにしていませんか?
アーユルヴェーダを学ぶと、自分の健康や選択に自分自身が責任を持つという「自己責任」の概念が生まれます。
全ての結果(疾患)には原因があり、その原因となっていることを選択しているのは自分です。
これを原因と結果の法則、「カルマの法則」ともいいます。
アーユルヴェーダの取り組みの重要な点の一つは、その原因に焦点を当て、原因となっている行動をやめるという「選択」をするよう、自分自身に働きかけることです。
体質改善のポイント★自分の体質、五大元素を理解する
アーユルヴェーダでは様々な「質」を捉えます。
代表的なものに五大元素(パンチャ・マハブータ)があります。
すなわち空・風・火・水・土のことであり、これらがユニークな割合で組み合わさり、私たち一人ひとりに固有の「体質」となります。
本来生まれ持った自然なこのエネルギーバランス(プラクリティ)は受精の瞬間に決まり、一生変わることはありません。
生活する中で、外的要因、過去の経験、食べ物などから、このエネルギーバランスが乱れがちです。
「いかにそのバランスをプラクリティに近づけるか」が、アーユルヴェーダの大きなテーマです。
3つのドーシャ・「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」
アーユルヴェーダでは便宜的に私たちの体質を3つに分類します。それがトリ・ドーシャです。
ドーシャには「乱されたもの」という意味があり、私たちの状態を説明するために便利なツールです。
ドーシャのバランスが整っていると調子良く、乱れると支障を来す。
トリ・ドーシャとは以下の3つです。
これらのエネルギーバランスを整えるために重要な法則は
「似たものが似たものを呼び寄せ(類は友を呼ぶ)、反対の性質がバランスを取る」
です。
ここで注意したいのは、診断されたドーシャは、その時優勢となっているだけであり、「優勢なドーシャ=あなた」ではありませんので、注意しましょう。
※誰もが、ヴァータ、ピッタ、カパの要素を持っており、その割合が強いものが「現在の体質」として捉えられる傾向にあります。
人生を自分の意識する方向に動かす
ここまでは、アーユルヴェーダの一般的な知識についてお伝えしてきました。
では、私自身は「アーユルヴェーダ」をどうとらえているのか?
私はアーユルヴェーダを
「自分が一番心地良い状態(ベストコンディション)でいるための知恵や取組のこと」
ととらえており、
「人生を自分が意識する方向に動かす」