プラサリータパドッタナーサナ(立位の前屈)の解説です。
プラサリータパドッタナーサナの概要
サンスクリット | Prasarota「広がった」、Pada「足」 |
特徴 | 左右対称、ヒップスクエア、前屈 |
効果 |
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土台・礎 | 足 |
力を発揮 | 足と脚 |
禁忌 |
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解剖学的point | 脊柱軸伸展、骨盤ニュートラル、股関節からの屈曲 |
コンセプト・哲学 | アビヤーナ(修習・実践)とヴァイラーギャ(離欲) |
解剖学的ポイント:ハムストリング
ハムストリングは、起始点(筋肉のスタート地点。心臓に近いほう)が座骨に、停止点(筋肉のゴール地点)が脛骨上部にあります。
前屈をしている時のハムストリングの状態は、弛緩(ゆるんでいる)、伸長。
一方、大腿四頭筋(前腿)は収縮している状態です。
二つの筋肉に、相反する力が働いています。
哲学
ヨガスートラでは、次のように言っています。
『心の作用を止滅(コントロール)するには修習と離欲が必要である』
修習とは、長い間意欲があり、努力し、そこに集中できている状態のこと。
このポーズで、意欲的に、集中してキープしつつ(修習)、身体の声を聞き、解剖学的ポイントを達成させるために、ポーズの完成形から少し離れる(離欲)客観的な目線を持てるとよいと思います。
神経系を落ち着かせる前屈のポーズ
股関節を屈曲させ、前へ倒れるのが(座位、立位とも)前屈のポーズです。
知覚感覚(特に目)のある前側を閉じ、体の裏側を開く前屈は、神経系を鎮静させます。
気分が昂ってきたり、いつまでも仕事し続けそうになったりと、エネルギー過剰な状態になったら、受容的で内省的な効果のある前屈をしましょう。
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プラサリータパドッタナーサナ(立位の前屈)のやり方
両足を大きく広げた状態で前屈する、左右対称の立位のポーズです。
身体の両側が活性化され、均等にストレッチされます。このようなポーズは体の柔軟性が左右均等でない場合、それに気づかせてくれます。
働いている筋肉
腸腰筋:股関節を屈曲させる
大腿四頭筋:膝を伸ばす。
僧帽筋下部・菱形筋:肩を耳から引き離す
ポーズのやり方
- 両手を広げ、両手首の真下に足首がくるよう、両足を開きます。両足のつま先は正面に向けます。
- 人差し指が太ももの付け根に触れるよう、両手を腰に当てます。
- 吐きながら、付け根においた人差し指を巻き込むようにして、太ももの付け根から上半身を前に倒します。
- 両手を床につき、頭頂とお尻で引っ張り合うようにして背筋を伸ばし、次の吐く息でさらに深く前屈。ここで5~10呼吸キープ。足の外側で床を押し、内ももの伸びを味わいます。
- 少し上半身を起こし、両手を腰に当て、さらに上半身を起こします。
ポイント・内側への働きかけ
- 足の親指の付け根、小指の付け根、かかとの3点で床を押します。
- 土踏まずとうちくるぶしを引き上げる意識をします。
- 大腿四頭筋を働かせて足を延ばします。
- 背骨をまっすぐにしたまま前屈します。
- 坐骨を後ろへ引くイメージをし、胸は前へ。
- 頭頂は床に近づけ、マットの上に着くことをめざします。
- 胸を閉じ過ぎないよう、二の腕を外側(背中側)に回し下げるようにします。
- 足の外側で床を押し、内腿の伸びを味わいます。腿は常に働かせます。
- 骨盤は踝の真上を保ちます。
軽減法
- 膝を曲げる
- 足幅を広げる
- 上体を倒し切らずに、床と平行なところまでで止める。
(90度以上倒すと逆転のポーズになる) - ブロックで高さを作ってその上に両手を置く。頭頂の下にブロックを置いても良い。頭頂でブロックを下に押し、坐骨を上に引き上げる。