プラジュニャパラーダ(知恵に反する罪)身体的衝動の抑制が病気を招く

プラジュニャパラーダ アーユルヴェーダ

プラジュニャパラーダとは、不健康であると分かっていながら行うことや、耽溺にふけることに対して、そう呼ばれます。

アーユルヴェーダにおいて、理想的な食習慣や生活習慣を送ることと同様に、大切な教えです。

本稿では、このプラジュニャパラーダについてお伝えします。

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プラジュニャパラーダprajnaparadha(知恵に反する犯罪)

私たちは、不健康であると分かっていながら、身体的衝動を抑制したり、何かに耽溺したりします。

たとえば、消化不良は、誤った食生活と生活習慣によって発症します。

本当は眠いし、睡眠時間が必要だと分かっているのに夜更かしをしたり、トイレを我慢するなどもその例です。

サンスクリット語prajnaparadha(知恵に反する犯罪)は、このように、不健康であると分かっていながら行うことや、耽溺にふけることに対して、そう呼ばれます。

身体的衝動が病気の素となる

アーユルヴェーダの経典は、プラジュニャパラーダがすべての病気に関連しているといっています。

『アシュタンガ・フリダヤ』というアーユルヴェーダの古典医学書では、「病気の予防」としてこの話題のために1章を設けています。

もし私たちが、体からの必要な真のメッセージであるこれらの衝動を否定することを止めたら、病気にかからなくなると伝えられています。

経典には、それらが現れた時に尊重されるべき以下の14の衝動が特定されています。

14の身体的衝動

  • オナラ
  • 排便
  • 排尿
  • ゲップ
  • くしゃみ
  • のどの渇き
  • 空腹感
  • 睡眠
  • 激しい運動に伴う速い呼吸
  • 欠伸
  • 嘔吐
  • 射精

また、吃逆(しゃっくり)と笑いも、それらが起こった時に、いつも自然に表されるべきです。

衝動は適時的に処理されなければならない

私たちは、習慣的にこれらの衝動を抑制しています。

幼齢期に、オナラ、ゲップ、涙などを抑えるというようになどと教育された覚えがあるでしょうし、大人はこれらの衝動を無視することに慣れ、衝動を抑制している認識すらないかもしれません。

しかし、体の衝動を認めて尊重することは、健康のための知恵です。

私たちの心と体をうまく機能させるためには、インプット(酸素、食べ物、水、愛など)とアウトプット(老廃物、緊張、感情など)の流れを自然に働かせる必要があります。

たとえわずかな時間でも、体が排出する準備ができているのに老廃物をとどめておくことは、神経系に障害を引き起こし、バランスを乱します。

例えば、女性生殖系の疾患の多く(月経痛、尿路感染症および卵巣嚢胞)は、排尿の抑制が根源となっているといわれています。

アーユルヴェーダはその経典の中で、それぞれの衝動を抑制した結果、どのような不快感や症状が発生するか伝えています。

例えば、オナラを我慢しすぎてしまうと、腹痛、便や尿の停留、疲労、視力低下、最終的に心臓疾患を引き起こします。

涙を我慢すると、鼻水、目の疾患、頭や心臓の痛み、首の凝り、味覚障害、めまい、息苦しさや息切れもたらします。

プラジュニャパラーダに思い当たる節がある方は、自然な衝動の流れを認める訓練をすることで、病気の予防を計ることができます。

子供の頃からこの認識をもてば、多くの病気を回避することができるかもしれません。