【アーユルヴェーダ基礎知識】消化に関わるサブドーシャ

お腹 アーユルヴェーダ

本記事では、各ドーシャのサブドーシャのうち、消化に関わるサブドーシャについて掘り下げます。

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ドーシャとサブドーシャ

アーユルヴェーダでは一人ひとりの体質を、この世界に存在する様々なエネルギーのバランスでとらえます。

ドーシャとは、五大元素(パンチャ・マハブータ。空、風、火、水、土の五大元素)がユニークに組み合わさってできる3つの性質で、私たちの体質も、その3つのエネルギーのバランスで説明できます。

3つのドーシャについてはこちらの記事で詳しく書いています。

ヴァータについて詳しく書いた記事>>【ヴァータ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ

ピッタについて詳しく書いた記事>>【ピッタ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ

カパについて詳しく書いた記事>>【カパ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ

3つのドーシャは、さらに細かく5つのサブドーシャに分類されます。

サブドーシャは、体の中で別々の居場所を持っていて、異なる働きをし、その場でバランスを崩すと具体的な疾患が発生します。

どのサブドーシャが、どんな疾患と関係あるのかを知ることは、より正確に疾患の原因を特定し、対処する上で必要です。

サブドーシャについて端的に解説している記事はこちら
>>サブドーシャとは

 

消化に関わるサブドーシャ

消化作用をサポートし、主に胃と小腸が身体の中の居場所となっているサブドーシャは次の3つです。

  • サマーナ・ヴァーユ
  • パチャカ・ピッタ
  • クレダカ・カパ

サマーナ・ヴァーユについて

サマーナ・ヴァーユは蠕動のリズムを司り、胃と腸が主座です。消化、消化液の分泌、胃から腸に食物を運ぶ役割を担うため、サマーナ・ヴァーユの乱れは、消化不良、食欲不振、膨張感、ガス、下痢を招きます。

経験したことのある疾患

食べ物の消化、吸収、消化は毎日のことなので、サマーナ・ヴァーユの疾患は一過性ではなく、常に起こり得るものです。

疾患の内容を見ると、命取りになるような重大な疾患がないように見えますが、全ての命に係わる疾患の大本となる症例です。

なので、サマーナ・ヴァーユの疾患に気付いたら、いち早くケアをすることで、大病を未然に防ぐことができます。

私は消化不良と膨張感、食欲不振に陥りやすいです。

その傾向が顕著に表れている時の私の日常生活は次のような状態でした。

 

どのような時に疾患が起こったか

私は飲食店で働いていて、食べ物が近くにあるのでそれを見て、においを嗅いでいる状態でした。
まとまった食事をとらず、いつも何かを味見して、器によそって何かを食べるとしても、立ち食い。途中でお客さんが来たり、やらなければならないことができてしまったら、その器を放って作業にかかり、落ち着いたところで立ってまたそれを食べる、といった状況でした。

ずっとだらだら食いをして、食べることに集中せず、食べてすぐ動き出す、といった状況が、消化不振、消化不良、膨張感だけでなく、ガス、便秘、いつもお腹がすいていない、むくみ、体重増加を招きました。

5カ月間で1.5キロの体重の増加と、洗剤の使用などで一番弱まっているであろう手・指の皮膚の湿疹、身体のむくみを経験しました。

どうすることで改善できるか

動きながら、何かをしながら食べないのが一番の選択です。

ピッタの時間帯(10~14時)の間にご飯が食べられなくなったとしたら、お腹が空いている場合のみ、それ以降の時間に、軽い食べ物や飲み物を少量摂取します(次の食事の時間にはお腹が空くくらいの量です)。

できれば味見のタイミングを同じにする、時間をあけて何回も味見をする状況を回避できるように準備できればベスト。

とにかくお腹が空く感覚がなくなることが一番ピンチです。

通常摂取するドリンクを生姜湯と白湯にして、食事の時間になってもお腹が空かない場合は、その食事をスキップするか、重湯のような消化に良いものを少量摂る程度に留めます。

また、プラーナヤマの実践も役立ちます。

 

パチャカ・ピッタについて

パチャカ・ピッタは食物を消化する機能を持ち、体温調整も行います。主座は胃と小腸。パチャカ・ピッタの疾患は胃酸過多、潰瘍、不規則な消化、低血糖症、甘いものへの欲求があります。

経験したことのある疾患

疾患とまではいきませんが、甘いものへの欲求を頻繁に感じます。

 

どのような時に疾患が起こったか

難儀な出来事の前や後、体力仕事で疲れた後、小難しい事務仕事の前や後に欲します。

極端に辛いものを食べた後にも欲します。

 

どうすることで改善できるか

高いハードルを乗り越える前のガソリンとして、または骨の折れる活動をした後に自分をいたわるご褒美として、「甘いものを与えるべきである」という固定観念や習慣を打ち消すこと。

代替として、品質の高いハーブティや新鮮な果物や野菜を自分に与えることを選択し、徐々に、それもなくしていく。

精神的な弱さに気付くことです。

極端な辛味は体に刺激を与えるのでそもそも頻繁に摂取しないこと。
苦味のあるコーヒーや渋いお茶や紅茶は、お菓子のお供として最適です。たとえコーヒーしか飲む気がなかったとしても、飲んでいるうちに苦味と異なる甘味を欲し、甘いものに手を伸ばしてしまうことも少なくありません。

カフェインへの執着を手放すことは、同時に甘いものを手放すことにも役立ちます。

私は食後にコーヒーとチョコレートを食べないと落ち着かないことがありましたが、最初にコーヒーをやめてから、チョコレートへの欲も遠ざかっていきました。

甘くて鼻につんとくるチョコレートばかり、苦味なしに、そういくつも食べられなくなったのです。

 

クレダカ・カパについて

クレダカ・カパは消化管の内壁を保護する役割を担います。主座は胃、特に消化管の内壁で、胃壁を潤し、食べ物を液化させます。消化に必要な含水量を調整するのです。クレダカ・カパの過剰は痰や肥満、糖尿病、高コレステロールを招き、不足は低血糖、消化性潰瘍を招きます。

 

経験したことのある疾患

痰がからむこと(時々ですが)と、肥満です。

痰がからみ、肥満するのと同時に、朝起きられなくなり、動きがのろくなり、鼻づまりも起こります。

これらはカパの乱れた時の状況と同じです。

 

どのような時に疾患が起こったか

消化がうまくいっておらず、体が常に重い。そのような状態が慢性的に続いた時に起こります。鼻づまりについては、最近覚えている疾患ですが、ひどく乾燥する場所に長時間居続けたためではないかと考えます。

 

どうすることで改善できるか

きちんとお腹が空くように、適切な食事の量と、決まった時間に食事を摂る。

経路を詰まらせるような食べ物(バナナやヨーグルト、その他粘性のあるもの)や消化に重いもの(揚げ物、餅、団子など)、甘いもの(かりんとう、ケーキ、お饅頭)など、カパを乱す食べ物を排除し、生姜やはちみつを積極的に摂取すること。

鼻うがいを日課にする。


いかがでしたでしょうか。

身体で感じている症状、健康診断の結果診断された疾患の中に、消化を司るサブドーシャがもつ疾患はありますか?

お医者さんに頼るばかりでなく、そのような疾患の原因となるところの行動のクセやせ伊勝習慣について振り返ってみましょう。

そして、自分ができる一番ハードルの低い改善法を一つだけ考え、実行してみませんか?

身体にも心にも、良い影響が現れるかもしれません。。