アンナプルナ(Annapurna)は台所と料理の女神です。
森の時計では、皆様が、皆様のおうちのアンナプルナとなるよう、アーユルヴェーダの叡智をお伝えしています。
では、アンナプルナとは、どのような神様なのでしょうか。
台所と料理の女神・アンナプルナ
アンナプルナは、台所と料理の女神、
食べ物を与えてくれる女神です。
彼女は破壊の神シヴァの配偶者である女神パールヴァティの別の姿です。
アンナプルナというと、ヒマラヤの山が思い浮かぶかもしれませんが、
その山は彼女にちなんで命名されたといいます。
アンナプルナの名前の由来
サンスクリット語で、アンナ(Anna)は「食べ物」または「穀物」、
プーラ(purna)は「完全、完全、完璧」を意味します。
アンナプルナは、食品と栄養の提供者を意味します。
食べ物は、豊かさであり、愛であり、命です。
アーユルヴェーダでは、心、身体、魂の調和を得るために、
愛する人のために調理をします。
アンナプルナには他の呼称があります。
- 宇宙の母
- 地球の女神
- 世界の力
などです。
アンナプルナの姿
アンナプルナは若々しい女神として描写されます。
シンボルである鍋とおたまを持っています。
シヴァが物乞いのように彼女の横に立ち、
アンナプルナがお粥を施す描写が多いのですが、
これには次のようなストーリーがあります。
シヴァとアンナプルナのエピソード
ある日、シヴァとその配偶者パルヴァティは物質主義的な世界について議論しました。
シヴァは、「食べ物を含めた全ての唯物論は単なる幻想だ」と述べました。
物質主義的側面を支配するパルヴァティは激怒し、
夫と世界に彼女の重要性を示すため姿を消しました。
「私がいない世界で、どのように生き残れるというのか?」
そして世界は食料を奪われ、飢饉が起こりました。
神でさえ食物を見つけることができませんでした。
シヴァは、地球上で食物がまだ手に入るカシ(都市の名前)のキッチンに行きました。
そのキッチンは驚いたことに妻のパールヴァティが所有していましたが、アンナプルナの姿をしていました。
シヴァは
「物質世界を幻影とみなしてはいけないことに気がついた」
と述べ、お椀を持って彼女に食物を乞いました。
パールヴァティー(アンナプルナ)は怒りを収め、シヴァ神に食事を与えました。
こうして、アンナプルナは「食品と栄養の提供者」として崇められるようになったと信じられています。
このエピソードは、男性原理(精神)と女性原理(物質)の融合を象徴するものでもあります。
日本の豊受大御神
日本で食べ物の神様といえば、「豊受大御神」。
豊受大御神は、天照大御神のお食事を司る御饌都神(みけつかみ)です。
衣食住、産業の守り神として崇敬されています。
伊勢市にある豊受大神宮に祀られています。
日本のアンナプルナといえば、この「豊受大御神」でしょうか……。