「舌」は日々の健康状態を知ることができる内臓の鏡です。
本稿では、健康の舌の状態、舌苔が表す身体の不調、舌のセルフケアについてお伝えします。
舌は健康状態を表す
舌は、健康のバロメーターです。
東洋医学では検査に表れる病気の手前、「未病」の状態をチェックします。
その判断をするのが「舌」。
アーユルヴェーダにおいても、舌はドーシャやアーマ(未消化物)、消化管の状態を知るための重要な道具です。
健康な舌の状態
毎日、自分の舌の状態をチェックすることは、体調管理をする上で是非実践していただきたい生活習慣です。
健康な舌には次のような特徴があります。
- 薄いピンクからやや濃いピンク色をしている
- 縁が滑らかで、表面はきれい。
- 朝にわずかな白色の膜があることもある
このような特徴にあてはまっていたら、健康状態、消化力は正常といえるでしょう。
舌苔が表す体の不調
舌は、アーマ(未消化物)と消化管の状態を表します。
舌の様子から、サマ(sama:アーマがある状態)なのか、ニラーマ(nirama:アーマがない状態)なのか把握しましょう。
ただし、舌の病気をもっている場合はこの通りではありません。
ドーシャ別の舌苔の状態
ご自身の舌を見てください。
舌苔はありますか?
どこにありますか?
どんな色をしていますか?
舌苔の存在は、消化不良を起こしていること、または食べ過ぎていること、毒素がたまっていることを表します。
舌苔の位置 | 舌苔の色 | |
ヴァータ過剰 | 舌の奥近く | 薄いグレー、白、茶色、黒ずんだ色 |
ピッタ過剰 | 舌の真ん中 | 黄色や緑色 |
カパ過剰 | 舌の前 | グレー、白 |
舌苔の位置や色によって、今どのドーシャが乱れているのかが分かります。
乱れているドーシャがある場合、どのようなことに気を付けるべきなのかは、別の記事で詳しく書いています。
>>【ヴァータ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
>>【ピッタ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
>>【カパ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
舌苔や舌の特徴が表す舌の不調
舌の状態 | 健康状態 |
白い舌苔 | 食べすぎ、消化不良 |
舌の縁の波うち | アーマが原因の吸収不良 特に小腸にアーマがある |
舌の先端の赤み | ストレスや心の不安を表す |
端が赤い | 病気の初期段階 |
全体的に赤い | 慢性炎症 |
小さな亀裂 | ヴァータの乱れ 赤くなっている場合はピッタも乱れている |
真ん中に小さな亀裂 | ピッタの乱れ ヴァータの乱れ (脊柱の障害、高ストレス、神経エネルギーの過剰) |
舌のセルフケア「Jihva nirelekhana ジヴァ・ニレカーナ(舌磨き)」
舌の上の未消化物を取り除く目的で、タングスレーパーを使い、舌磨きをします。
後ろから前に向かって優しく7回ほど動かします。
スクレーパーは、金、銀、銅製のもの(あるいはステンレス製)を使用します。
銀は冷ます性質があるのでピッタに、金と銅のものはヴァータとカパに適しています。
アーユルヴェーダにおいて推奨されている、朝イチの口腔ケアです。
是非、お試しくださいませ。