【体質別おすすめの運動】アーユルヴェーダの運動のガイドライン

運動 アーユルヴェーダ

アーユルヴェーダでは、健康で幸福な生活を送るための、日々の生活のガイドラインを示しています。

今回は、「運動」に関して、アーユルヴェーダではどのような提案がされているか、また、体質別におすすめの運動をご紹介します。

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運動の必要性

毎日のルーチンで取り入れるべきものとして「運動」があります。

ランニング

運動は、免疫系の働きを促進することにより、スタミナと病気への抵抗力を高めます。

全てのチャネルをクリアし、循環と廃棄物処理を促進し、脂肪を破壊します。

定期的な運動は、不安を軽減し、エンドルフィンとエンケファリンの放出を刺激することで幸福感を生み出します。

これは、運動が中毒性になる理由でもあります。

※エンドルフィン(endorphin):脳内で機能する神経伝達物質のひとつ。 特に、脳内の「報酬系」に多く分布する。 内在性鎮痛系に関わり、多幸感をもたらすと考えられている。
※エンケファリン(enkephalin):脳・脳下垂体・脊髄・副腎髄質などに分布し、モルヒネ受容体と結合して鎮静作用を生じるペプチドのこと。

アーユルヴェーダの基本の運動のガイドライン

疲労しない程度に行う

疲れきっている場合、運動は利益をもたらすことができません。

アーユルヴェーダのルールでは、一度に自分のエネルギーの半分以上を、運動により発揮させてはいけません。

たとえば、1時間自転車に乗った後、疲労を感じる場合は、自転車に乗り続けて良い時間は、一度に30分ほどだったということです。

スタミナが続くようになってから、乗る時間を増やしていくべきです。

ただし、極端な気候では、エネルギーはより速く消散されるので、能力の半分までさえ運動すべきではありません。

病気の時、体力のない子供と高齢者は激しい運動をしてはいけない

慢性的な咳や風邪などの呼吸器疾患を患っているとき、または深刻な消化不良のときは運動しないでください。

子供は、人生の早い時期に激しい運動を始めてはなりません。

また、激しい運動を老後まで続けすぎてはなりません。

心を鈍らせるような過度の運動は避ける

激しい運動は、より多くの栄養素、エネルギーを必要とします。

そのために摂取した食物を消化のために、追加のエネルギーが消耗されます。

このエネルギーは心の犠牲で得られなければならないので、過度の運動は心を鈍らせます。

アーユルヴェーダは常に、ヨガや太極拳のような瞑想的な運動を奨励して、この精神的な鈍さを防ぎ、生体全体に適切なエネルギーの流れを確保します。

ヨガ

適切な呼吸を行う

アーユルヴェーダはまた、運動はリズミカルな呼吸で行われることを示唆しています。

呼吸は体からガス状の老廃物を排出し、生命力であるプラーナを迎え入れます。

運動を効果的にするために、呼吸は定期的に、均等に、そして深く流れる必要があります。

体質別(ドーシャ別)おすすめの運動

それぞれの体質の基礎知識についてはこちらをご確認ください。

>>【ヴァータ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
>>【ピッタ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ
>>【カパ・ドーシャ】体質・特徴・食事のおすすめ

ヴァータタイプ

ヴァータの人々は、一時的考え事から離れたり、痛みを忘れられることから、一時的に体を消耗させたり、激しい運動をしたりすることに夢中になります。

Vの人々はルーチンを嫌い、新しいことに挑戦するのが好きなので、好きな種類の運動から自由に始めることができます。

運動習慣を作成したら、過度な遂行を避け、ルーチンを安定化させましょう。

向いていない運動

多くのヴァータの人々は、ランニングやジョギングに魅了されていますが、これらは本質的に弱い関節に大きな圧力をかけることになります。

また、一部のヴァータの人々は、ハンドボールのようなスポーツに惹かれています。
このようなスポーツは、ヴァータが豊富に持つ強力なエネルギーの爆発を必要とします。

しかし、そのような運動にのめりこむヴァータの人々は、最終的には全エネルギーの消滅を経験します。

向いている運動

リズミカルなエクササイズは、カオス的なワークアウト(練習・トレーニング)よりもヴァータタイプの人にとって向いています。

ヨガ、太極拳、ウォーキングなどの穏やかで定期的な運動は、激しい運動よりも適しています。
これらの瞑想的なエクササイズは、精神的平等を促進するため、ヴァータタイプに特に適しています。

軽量の定期的なウェイトトレーニングや、フォークダンスなどの参加型の運動も適しています。

ピッタタイプ

向いていない運動

ピッタの人々は、ウェイトリフティングのように激しい運動が大好きです。
それは、ピッタの積極性や激しさを増強させるためです。

また、テニスのような競争力のあるスポーツも好みます。
ピッタの人々の元来の競争心やスリルを掻き立てるためです。

このような運動は、ピッタの人々の激しさやイライラ感、完璧主義を増大させます。

向いている運動

ピッタの人にとって最適な運動は、ピッタの人々が自然に持っているエゴティズムを強化させずに、競争力を提供する運動です。

バスケットボールやバレーボールのようなチームスポーツは、協調性を養うことを可能にします。

太極拳とヨガは、彼らの火を冷却し、攻撃性のバランスをとります。

水泳は涼しいのでピッタの人々にとって素晴らしいスポーツです。

水上スキーや雪上スキーも同様に、ピッタの火を減らすのに役立ちます。

水泳

水泳は、ヴァータとピッタには特に適していますが、誰にでも適した優れたシンプルな運動です。

カパタイプ

カパの人々は激しい運動が必要です。

多くのカパの人々は運動習慣を定着させるために、大きなサポートを必要としますが、一度それが定着すると、その習慣にむしろ固執するようになります。

向いていない運動

カパの人々は通常、活動に集中しやすいので、自転車などのエクササイズを選択する傾向があります。

ただし、このような反復的な活動は、カパの生来の反復的で習慣的な性質を強化します。

向いている運動

カパの人々にとっては、激しいスポーツ、または複雑な有酸素運動がより優れています。

ヨガと太極拳は体に刺激と活力を与えるため適しています。

カパタイプは反復運動を避けるべきですが、運動への動機付けが必要な人は、長距離ランニングや体操のような反復運動から始めることができます。

その後、プログラムに複雑さを徐々に追加します。

まとめ

  • 健康と長生きのため、「運動」を生活の中に習慣化させる必要があります。
  • アーユルヴェーダでは以下のルールを定めています。
    ・疲労しない程度に行う
    ・病気の時、体力のない子供と高齢者は激しい運動をしてはいけない
    ・心を鈍らせるような過度の運動は避ける
    ・適切な呼吸を行う
  • 体質別(ドーシャ別)おすすめの運動
    どのドーシャについても、ヨガや太極拳などはおすすめ
  • ヴァータタイプ
    ・激しい体力の消耗を伴う、体を痛めるような運動は避ける
    ・穏やかで敵的な運動がおすすめ
  • ピッタタイプ
    ・激しい運動、攻撃性をあおるような運動は避ける
    ・勝ち負けにこだわらない運動や、水泳などがおすすめ
  • カパタイプ
    ・反復的な運動よりもやや複雑な運動が良い
    ・激しい運動、有酸素運動がおすすめ

いかがでしたでしょうか。

自分の体質や体調に合った運動を、無理のないように続けていけると理想ですね。