アーユルヴェーダにおいて、育児は、受胎する前から始まっているとされています。
本稿では、健康な赤ちゃんを授かるため、妊娠するための準備として重要なことをお伝えします。
アーユルヴェーダの育児学とは
健康な赤ちゃんを産み育てることは、受胎の前から始まっています。
アーユルヴェーダの育児学は、生命が胎内に宿る前から、誕生して成人になるまでの全てを網羅しています。
小児科、 産科婦人科も含まれます。
妊娠するための準備
1.パートナーの選び方
結婚相手は違う性質を持った相手がいいとか、同じ性質を持った相手がいいとか、諸説あります。
確かに、違う性質を持っていれば、お互いの不足している部分を補填し合うことができますが、相手の自然な発想を、もう一方は理解することができないかもしれません。
同じ性質をもっていれば、お互いの嗜好や行動パターンを理解するのは容易かもしれませんが、その性質の弱い点を増長させるかもしれません。
けれど、結婚相手は体質の違いだけで決められるものではありません。
詳しくはこちらの記事で書いています。
>>アーユルヴェーダから見るベストカップル(配偶者の相性)とは?
2.両親の体と心をキレイにする
自分のケアをする意欲がどれほどあるかが受胎に反映されます。
とはいえ、不妊の原因を、自分たちの行いが至らなかったせいだと、自分を責める必要もありません。
妊娠を自然で楽なものにするために、健全でバランスの良い精神と感情、肉体を養いましょう。
するべきこと
以下の取り組みをパートナーと互いに行うことで、より深いリラックスと絆が生まれます。
- バランスの取れた食事(アハーラ)
- 規則的な生活習慣(ヴィハーラ)
- 季節に合った過ごし方(ルトゥチャリヤ)
- ドーシャを整えること
- 質の良い睡眠
- オイルトリートメント
- 発汗
- パンチャカルマを受ける
- 呼吸法
- ヨガ
- 眼想
避けるべきこと
- 夜更かし
- プラジュニャパラーダ(身体的衝動を我慢すること)
- ストレスの多い生活
- 怒り
- 太りすぎまたは痩せすぎ
3.妊娠に必要な4つの要素
アーユルヴェーダは、妊娠に必要な4つの要素を伝えています。
また、これらの要素を整えるには、生理の時のすごし方が大切です。
- 土壌(子宮)
- 種 (卵子、 精子)
- 時期(性交のタイミング)
- 栄養(子宮の環境)
クシェトラ Kshetra (土壌、子宮)
土台となる身体が、受胎と妊娠の準備ができていることを意味します。
体の準備に最も重要なのは、心身からアーマを取り除き、ドーシャのバランスを整えることです。
そのために、ディナチャリャの実践、キッチャリークレンズ、パンチャカルマが推奨されます。
アンブ Ambu (栄養素)
生殖器官を健康的に養うために必要な栄養素のことです。
強いラサとラクタ·ダートゥをもたらします。
適切なアハーラとヴィハーラの実践により、十分な量の栄養素が身体をめぐります。
栄養は、身体に毒素が溜まっている場合は、しばしば行き届かない場合があるので、まずはクシェトラの項に出てきたように浄化を必要とします。
ルトゥ Rtu (受胎の時期、性交のタイミング)
現代では利便性でタイミングを計ることがよくありますが、受胎の時期を決める上で重要なのは、家庭内の安定性、十分な財力、そして両親の健康です。
春は自然界の成長と発展の時期なので、受胎を支える時期です。
ビジャ Bija (種)
ビジャとは、受胎に必要な健康的な精子と卵子のことです。
最後に体で生成されるダートゥ、シュクラ/アルタヴァ·ダートゥがこれにあたります。
シュクラ・ダートゥは食べ物と思考と感情の消化が完了した結果、生成されます。
この段階においても、適切なアハーラとヴィハーラが鍵を握ります。
環境有害物質に身をさらさないことも重要です。