甘いフレーバーと苦味が特徴のスパイス「フェヌグリーク」。
メタボや糖尿病など幅広い効用があると話題のスパイスです。
本稿ではそんなフェヌグリークの基礎知識や、フェヌグリークを使った料理レシピをお伝えします。
フェヌグリークとは
フェヌグリーク。
聞きなれないその名前が、ハードル高そう!思わせます。
どんな味なの?どんな料理に使えばいいの?そんな疑問が出てきますよね。
名前からして覚えにくく、私は、スパイスを使い始めて間もない頃、フェンネルと混ざってよく混乱していました。
「インド料理屋さんでレジ横に置いてある緑色がフェンネルで、茶色のつぶつぶがフェヌグリーク……」
という覚え方をしていました(笑)
シードタイプのフェヌグリークは、マスタードシードより大きめの粒状で、薄茶色をしています。
インドではメティ、中国では胡廬巴と呼ばれています。
中国名の日本語読み「ころは」が和名となっています。
アーユルヴェーダの栄養学から見るフェヌグリーク
アーユルヴェーダの観点からフェヌグリークを見ていきます。
アーユルヴェーダの栄養学の概要について
>>【アーユルヴェーダの栄養学】食材ごとに決まっている7つの性質
質(Guna)
- 油性
- 温性
ドーシャへの影響(Karma)
ヴァータとカパを下げます。
ドーシャについてはこちらの記事をご覧ください。
>>アーユルヴェーダとは
フェヌグリークの味(Rasa)
主に苦味です。
アーユルヴェーダにおいて、苦味は最も良い味とされていますが、食材から取るのが難しい味です。
良い苦味をもつ食材として挙げられるのが、ゴーヤ、アロエ、それからこのフェヌグリークです。
フェヌグリークの作用(Veerya)
- 温性
消化後の味(Veepaka)
- 辛味
効果(Prabhava)
フェヌグリークには次の効果があると言われています。
- 消化力増強
- 食欲不振
- 生活習慣病の予防
- 咳や結核
- 強壮作用
- 体力増強
- 母乳の分泌を促す
たくさんあるようですね。
一方で、子宮刺激作用・鎮痙作用があり、妊娠中の女性には摂取を控えるべきという説もあります。
フェヌグリークの効果効能
胃腸の働きをすこやかにする
フェヌグリークは古くから胃腸の調子を整えるものとして使われてきました。
食欲不振、胃の不快感、便秘、胃の膨張感、ガスなどにも効果があります。
生活習慣病の予防に
フェヌグリークには、血糖値やコレステロールや中性脂肪を下げる働きがあるため、糖尿病の治療にも用いられます。
動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞といった生活習慣病の予防にも効果があります。
森の時計の生徒さんの中にも、フェヌグリークのパウダーを飲み物に混ぜて飲んだ結果、コレステロールが下がったという方がいらっしゃいました。
咳や結核を鎮める
フェヌグリークには炎症を鎮める効能があります。
口内炎、気管支炎、結核、慢性的な咳などに効果があります。
強壮作用
フェヌグリークに含まれる成分が男性ホルモンを活性させます。
そのため、男性の強壮や精力増進に効果があるほか、筋肉を増大させたり、骨格の発達に効果があります。
筋肉をつけたいという男性にもおすすめのスパイスです。
母乳の分泌を促す
フェヌグリークは授乳婦の母乳の出をよくするといわれています。
ただし妊婦や授乳婦の方は、摂取や摂取量について、かかりつけの医師によく相談しましょう。
フェヌグリークの副作用
通常の食品としての利用は安全とされていますが、過剰摂取で副作用が起こる可能性があります。
他のスパイスやハーブについてもいえることですが、サプリメントなどで服用しようと考えている方は注意しましょう。
料理への使い方
カレーや野菜の炒め物に
フェヌグリークシードには、セロリやカラメルのような香りと苦みがあります。
この独特の風味がインドカレーには欠かせないスパイスとなっており、料理に深みを添えます。
また、いろいろな野菜の炒めものに、スタータースパイスとして入れるのがおすすめです。
低めの温度でゆっくりと火を通すことがポイントです。中火~強火で調理していると、少し油断した隙にこげます。
お粥に入れる
アーユルヴェーダの養生食・キッチャリー(インドの豆粥)にもフェヌグリークを活用できます。
飲み物に入れてみよう
ローストをして甘みを引き出し(これは任意で)、粉砕して滑らかな口当たりにしたフェヌグリークのパウダーは、甘い芳香があります。
このパウダーを使って、フェヌグリークの健康効果を手軽に飲み物で実感してみましょう。
パウダーに熱湯を注いで5~7分ほど蒸らします。
これだけで、甘い香りと微かな苦味のハーブティーですが、お好みでミルクや蜂蜜(体温以下になってから)を加えても美味しくいただけます。
ホットミルクやフレッシュな野菜ジュースなど、お好みの飲み物にふりかけて混ぜても良いでしょう。
フェヌグリークを使ったレシピ
フェヌグリークを使った料理レシピをご紹介します。
- 【さつまいものごまアチャール】甘いさつまいもに、酸味とフェヌグリークの薬膳感漂う苦味が加わった新感覚の一品。
- 生ウコンチャツネ
- オータムポエムのスパイス炒め
- 冬瓜のカレー
- 揚げなすとネギのカレー
フェヌグリークを学ぶ│森の時計のスパイス基礎講座
森の時計のスパイス基礎講座で、フェヌグリークの基礎知識、料理への使い方を学べます。
フェヌグリークを使った料理も作れます。
スパイス基礎講座のメニュー
以下のメニューは、現在のスパイス基礎講座(フェヌグリーク)のものです。
- 白米
- 魚カレー
- ウルアル(フェヌグリークのカレー)
- サラダ
- さつまいものポリッジ
- フェヌグリークティー
シンプルなレシピが多いので、サフランそのものの風味や味をよく知ることができます。
魚カレー
フェヌグリークをはじめとしたホールスパイスを使ってカレーパウダーを作ります。
いろいろな魚で作ることができる、本格的なスパイスカレーです。
ウルアル
フェヌグリーク自体を具として食べる、ちょっと変わったカレーです。
味も個性的!
でも、これこそがアーユルヴェーダ的な味(!?)
過去のスパイス基礎講座(フェヌグリーク)の様子
>>【開催報告】9月スパイス基礎講座│フェヌグリークの効能や使い方・カレー作り