アーユルヴェーダの知識の中核である、10対20種類の質「グルヴァディ・グナ」について、実生活や自己の経験に当てはめて考えてみます。
今日取り上げる質は「鋭」と「鈍」です。
グルヴァディグナについて詳しく書いた記事はこちら
「鈍」と「鋭」
今日取り上げるのはManda(マンダ・鈍)とTikshna(ティクシュナ・鋭)です。
ヴァータ・ピッタ・カパのもつグルヴァディグナ
アーユルヴェーダでは人の体質をエネルギーバランスによって分けます。
ドーシャがもつグルヴァディグナは各ドーシャによって異なります。今日取り上げる性質「鈍・鋭」に関していうと、以下の通りです。
ヴァータ | 鋭 |
ピッタ | 鋭 |
カパ | 鈍 |
性質を実生活に当てはめてみる
自分の好きな視点で、実生活にあてはめてみましょう。
食べ物や行動の観点でたくさん想像できると、バランスが乱れた時に、どういう食べ物が、行動が、バランスをもたらすものであるかが分かるようになります。
「鋭」の特徴
とがっている、鋭角、とげとげしている、鋭い指摘、鋭い目、鋭敏、ズバッとものを言う人、鋭い動き、味覚が鋭い、研ぎ澄まされている、敏感、切れ味がある、さばさばしている
「鈍」の特徴
鈍角、ぼんやりしている、鈍い反応、感覚・味覚が鈍い、動きが鈍い、鈍感、気付くのが遅い、気がつかない、のろい
2つの性質「鈍」と「鋭」のバランスの取り方
みなさんが持っている今の「質」はなんですか?
アーユルヴェーダの取り組みは、今の自分に「気付く」ことから始まります。
「鈍」の性質が多くなっている場合
何か悩みや不安が常にあって、何をするにもやる気が起きず、人の言葉も右から左に流れどうも反応ができない。
何を言われても反応が薄い。人の反応の薄さにも無頓着。
周囲で巻き起こるいろいろな出来事に無意識で、無関心。
刺激的な出来事が周りで起こっていても感じ取れない。
このような場合、意識的に回りに注意を向けたり、行動をキビキビさせるなど「鋭」の要素を取り入れるとちょうどよくなります。
「鋭」の性質が多くなっている場合
物事の本質を見抜くのが得意で、的を得た発言をする。
いろいろなことに気が付くので、周りの人にもアドバイスして是正してもらっていた。しかし最近は、「こんなことも気づかないのか」と周りにイライラして、注意するときの態度や言いかたが、激しすぎる。
昔からよく仕事ができて、上司の信頼もある。でも、キレの良い仕事をこなすことが楽しくなりすぎて、調子に乗り、傍若無人なふるまいをしている……
このような場合、深呼吸して語調や態度を穏やかにしてみたり、周りの人の気持ちを考えたりすると、少し客観的に自分を見られます。
「鈍」の質を取り入れる、「鈍感力」も、時には必要なのです。
本来自分が持っている質と反対の質を取り入れることに、最初は抵抗を覚えるかもしれません。
でも、慣れていないだけで、違う質を取り入れたからといって自分でなくなるということではありません。
自分の状態を振り返り、「鈍」と「鋭」、どちらかの質が過剰になっていることに気付いたら、反対の質を取り入れてみましょう。
そうすると、自然とバランスが取れるようになります。
グルヴァディグナのその他の質
グルヴァディグナについて書いた記事、グルヴァディグナのそれぞれの質を1組2種類ずつ紹介したその他の記事は以下のリンクからご覧いただけます。
>>グルヴァディグナとは
>>「熱」と「冷」
>>「乾」と「湿」
>>「重」と「軽」
>>「粗」と「微」
>>「固」と「流」
>>「動」と「静」
>>「軟」と「硬」
>>「滑」と「荒」
>>「濁」と「清(透)」
いかがでしたでしょうか?
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